純文学論争(じゅんぶんがくろんそう)は、 1960年代に行われた論争。平野謙によって問題提起された[1]。 1990年代後半から2000年代にかけて行われた論争。 1961年9月の『朝日新聞』に、平野謙が、雑誌『群像』創刊15周年に寄せて小文を掲載し、中間小説の優れたもの(松本清張、水上勉らの社会派推理小説など)が台頭し、純文学という概念は歴史的なものに過ぎない、と述べたことから始まったとされているもので、まず伊藤整がこれに反応し、高見順が激しく平野を批判した。しかし福田恆存によれば、これはその1月に大岡昇平が井上靖の『蒼き狼』を批判した時から始まっていたもので、大岡はついで、松本清張、水上勉らの中間小説を批評家が褒めすぎることに矛先を向けており、当時外遊中だった伊藤が詳しい事情を知らずに平野の文章に衝撃を受けたものとされている。しかしこの当時、純文学といえばまず私小説だと思われており、高