「法曹が実務において手書きで文書を作成することはほとんどなく、実情に即していない」(法務省)。同省が司法試験のCBT(Computer Based Testing)化に動きだした。 時代の変化に合わせて試験の在り方も変えていこうとする取り組みは、至極まっとうなものだ。受験者においても歓迎する向きが強いのではないか。一方で、ふとした疑問が頭をよぎった。記者にもなじみ深い国家試験が今も手書き試験のままであることを思い出したからだ。 それは、情報処理推進機構(IPA)が運営する、IT技術者の高度な知識や技能を測る試験、いわゆる「高度情報処理技術者試験(高度試験)」だ。「ITストラテジスト試験」や「プロジェクトマネージャ試験」などに代表される。技術者から「IT分野において最高峰の試験の1つ」とも言われる試験だが、アナログな手書き試験を課し続けるのはなぜか。 2時間で3000字超えの原稿用紙を埋める