■仕組みを変える 誰かがミスをすると私たちは怒ってしまいがちです。これではGMの工場で、現場の労働者がミスをすると上長が怒鳴っていたのと同じことです。なぜ怒鳴ったのかと聞けば、「誰でも怒られたくないので、怒られれば次から注意するようになるから」と答えたでしょう。 しかし、この説明はあまり説得力がありません。労働者はミスをしたかったわけではないし、ひどい車を作るのが楽しかったわけでもありません。それに、仕事のやり方を変えた途端、全く同じ労働者がしっかりと働くようになったのはまぎれもない事実です。 彼らは根っからひどい人間だったわけではなく、普通の人間なのです。仕事がなかなかできないとき、そのことで怒鳴られても仕事をする気になるわけではありません。重要なのは、「人をどう変えるかではなく、仕組みをどう変えるか」ということなのです。必要なのは、「ミスをしても怒鳴らない」という仕組みを作ることかもし