「ユーザーとの会議の“段取り”や“仕切り”がまずいためにプロジェクトが破綻するのを,これまで何度も目の当たりにしてきた。メンバー同士の意見が対立して紛糾することもなく,表面的に議事が淡々と進む“白けた会議”になっているときほど,注意が必要だ」――。先月,取材した大手コンピュータ・メーカーのベテラン・コンサルタントからそんな話を聞いた。 このコンサルタントは課題分析や要件定義などの上流工程が専門で,付き合いのあるユーザー企業から相談を受けて,破綻しかけたプロジェクトに途中から“火消し”として乗り込むことがある。相談を受けてまずはオブザーバーとして,ユーザー企業の各現場のキーパーソンが集まる上流工程の会議に出てみると,共通してある特徴が見られるという。「欠席者が少なくないうえに,発言するのは一部のメンバーだけ。しかもそれぞれが自分の考えを言うだけなので,お互いに意見をぶつけ合う議論になっていな