世界的にインフレ(物価上昇)が広がる中で、世界の中央銀行は金利引き上げを敢行。そんななか、なぜ日本だけが異次元の金融緩和(低金利政策)を継続しているのか? 極端な円安やハイパーインフレの可能性について警鐘を鳴らし続ける経済評論家の藤巻健史氏に、金利や為替の先行き、対策について話を聞いた。(聞き手・田茂井治) コロナ禍でも、首都圏の新築マンション市場は好調だ ――ガソリンに電気料金、食料品まであらゆるものが値上がりしている。信用調査会社の調査では、今年値上げされる品目は1万5000品以上。日銀が行う生活意識調査では、1年前と比較して物価が上がったと答える人の割合は89%にも達している。実は、そんなインフレ時代を早くから“予言”していた人がいる。元モルガン銀行(現JPモルガン・チェース銀行)東京支店長で、「伝説のディーラー」とも呼ばれた藤巻健史氏だ。 藤巻 1997年から僕は日本の財政は危ない