けいおん!の内面について、まず杉田悠の非常にクリティカルな指摘をご覧になってもらいたい。 http://m.theinterviews.jp/sugita_u/1231950 杉田悠の言っていることをより詳しく説明しよう。けいおん!の内面については柄谷行人『日本近代文学の起源』、大塚英志『キャラクター小説の作り方』、伊藤剛『テヅカ・イズ・デッド』、東浩紀『ゲーム的リアリズ ムの 誕生』を読んでもらいたい。つまり自然主義文学は透明な言語(言文一致体)と透明な風景を備えている。それは近代国民国家(ネーション=ステート)という制度のもと成立した。 そして大塚英志的には自然主義的な近代文学のリアリズムに対し、手塚治虫以後の日本の漫画やアニメでは、「記号的な身体」に「死にゆく私」や「成熟しようとする私」という「内面」を宿らせた 「半透明性」が存在することとなる。それは手塚治虫から始まったというのが