津波に襲われた直後の東京電力福島第1原発。沖に戻る白い波が見える=11日午後4時57分ごろ(国交省東北地方整備局撮影) マグニチュード(M)9・0の東日本大震災で高さ14メートル以上とされる大津波が直撃した東京電力福島第1原発。浸水で非常用発電機のほとんどが壊れ、原子炉の冷却機能を失った。新潟県中越沖地震など国内の原発が次々と地震に見舞われ、国や東電は地震の揺れへの対策は急いだが、専門家の警告にもかかわらず、津波への危機意識は薄かった。 ▽大津波 「869年の貞観の地震は、津波に関しては非常にでかいものが来ている。全く触れられていないのは納得できない」。2009年6月、経済産業省で開かれた審議会の席上、独立行政法人産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の岡村行信活断層・地震研究センター長は、東電の報告に厳しい言葉で異議を唱えた。 06年に改定された国の原発耐震指針に沿って東電は08~