「日本の大学は、企業で即戦力となる高度なIT(情報技術)人材を育成する視点に欠けていた。これは企業や国の責任でもある。韓国や中国、インドなど諸外国にはきちんとしたIT人材育成戦略がある。日本でも産学官が連携し、優秀なIT人材を生み出す仕組みを作らなければならない。日本はいま、欧米はもちろんアジア諸国にも追いつかれ、がけっぷちにある」 トヨタ自動車の張富士夫会長は6月28日、早稲田大学大学院国際情報通信研究科/電子政府・自治体研究所が主催する4日間のセミナー「グローバル e-ガバナンス」において、午後の基調講演に登場。日本経済団体連合会(経団連)の代弁者として、実践的なIT人材の育成状況への危機感を30分にわたり熱く語った。張氏は、経団連の副会長を務める。 経団連は今年5月、「CIO(最高情報責任者)やITプロジェクトマネジャー、組み込みソフトウエア開発者など企業内ITの中核業務を担う高度な