「労働者階級は立ち上がった。毛沢東主席見てくれましたか!」。昨年7月、中国広東省深せんの溶接機械メーカーの工場で、従業員が労働組合の設立を求める労働争議が起きた。長時間労働や罰金制度への不満が背景だった。解雇された一部従業員が、地元警察に拘束されると、街頭での抗議活動に発展した。 従業員側がインターネット上に、毛沢東の名を掲げて徹底抗戦を表明すると、全国の左派層は高揚した。特に年齢の近い学生の反応は激しかった。「血が沸騰するようだった」。取材に応じた女子学生は当時の心境を振り返った。 いち早く現地に駆けつけた2人の左派も、学生を触発した。沈夢雨(ちんむう)さんは広東省の名門・中山大大学院を卒業後、労働者と共に闘おうと、自ら工場労働者となった異色の女性だ。北京大卒の岳(がく)きんさんは在学中の昨年4月、学内のセクハラ事件の情報公開を訴えて注目を集めていた。