at-akada.hatenablog.com アイロニーの話のつづき。前回はグレゴリー・カリーによる映画のアイロニーの話を紹介した。アイロニーとは変な(と語り手が思っている)態度やスタンスをするフリをしてみせることだった。特に言葉によるアイロニーではなく、映画表現固有のアイロニーの場合、変な視点やスタンスをわざとやってみせる映画表現ということになる。カリーの例は多岐にわたるが、これらの表現の特徴として以下のような要素をあげられるかもしれない*1。 通常の映画表現として見ると明らかに変なことをする。 それを意図的にやることで何らかの効果を達成する。 多くの場合、鑑賞者に、物語世界に対して一歩引いた視点をとらせる効果を伴う。 個人的には映画よりマンガの方が得意なのでマンガにおけるアイロニー表現の話をしようと思う。最近諸事情で山本直樹作品をよく読んでいた。山本直樹作品はシナリオ上もアイロニーを