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ブックマーク / at-akada.hatenablog.com (32)

  • ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます(1) - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    まえおき ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます。出版社の告知ページも出たので宣伝していきます。 filmart.co.jp たまたまタイミングが合って、ユリイカ2022年9月号 特集=Jホラーの現在にも書いています。 www.seidosha.co.jp このふたつの仕事が重なったため、すっかりホラーづいており、毎日何がしかのホラー映画、ホラー小説を摂取している夏です。 翻訳出版に合わせて『ホラーの哲学』の宣伝をしていきたいと思います。 紹介 まずは目次。章タイトルなどはまだ仮です。 目次(仮) 序 書が置かれた文脈 ホラージャンル摘要 ホラーの哲学とは? 第一章 ホラーの質 ホラーの定義 まえおき 感情の構造について アートホラーを定義する アートホラーの定義に対するさらなる反論と反例 幻想の生物学とホラーイメージの構造 要約と結論 第二章 形而上学とホラー あるいはフィク

    ノエル・キャロル『ホラーの哲学』の翻訳が出ます(1) - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2022/08/13
    "キャロルの意見によれば、ホラーをかきたてるものというのは、カテゴリー的にどこに位置づけて良いのかよくわからない「不浄なもの」「狭間に位置するもの」です" 『汚穢と禁忌』的な
  • 『失われた時を求めて』を読み終わった - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    ついに『失われた時を求めて』の最終巻である14巻を読み終わった。記録によると、2019年4月1日に1巻を読み終わっているので、およそ1年ちょっとの間、読みつづけていたらしい。ちなみに前半は光文社古典新訳文庫、後半は岩波文庫で読んだ(光文社版はまだ6巻くらいまでしか出ていないはず)。 つらい戦いだった。正直言ってこれまでの読書人生の中での最難関と思うくらいにはつらかった。何がつらいかというと、途中までまったくおもしろさがわからなかったことだ。8巻くらいでようやくコツをつかみ、それ以後は楽しく読めるようになったのだが、そこにいたるまではまったくおもしろさがわからず、当につらかった(むしろその状態で8冊も読んだという我慢強さに感心してほしい)。 何がつらかったか。ひとつには趣味の問題がある。小説というものを、仮に、「何が起こったか(出来事)」と「それに対して何を感じたか(思念)」の2つの構成要

    『失われた時を求めて』を読み終わった - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
  • 『判断力批判』の謎 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    カントの『判断力批判』というは主にふたつの事柄について論じている。美的判断と、自然に関する目的論的判断についてだ。 だが、ここには大きな謎がふたつある。 なぜ、『判断力批判』というタイトルので、判断一般についてではなく、このふたつの事柄を論じるのか。 特にこのふたつの事柄が選ばれた理由は何なのか。両者には何の共通性があるのか。 驚くべきことに、『判断力批判』というを読んでも(少なくとも、さらっと読んだだけだと)、この謎の答えはわからないのだ。少なくともわたしは読んでもよくわからなかったので、実は何度もこの疑問の答えを調べようと思っていた。最近改めて調べて、ようやく半分くらいはわかったので、答えをまとめておこうと思う。書いておかないと、また忘れて調べるはめになりそうなので。 ちなみに、この疑問は、実は調べ方も少し難しい。『判断力批判』では、の中でも、一部をのぞいてほとんど判断の話をし

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  • スタンフォード哲学事典のデータでword2vec - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    自然言語処理の領域で近年注目されている技術word2vecというのがあります。 今日は、夏休みの自由研究として、スタンフォード哲学事典のデータを使って、word2vecを作ってみたいと思います。 人文系の領域でコンピューターを使った研究は、最近デジタル・ヒューマニティーズなどと呼ばれてちょっと流行しているようです。私もデジタル・ヒューマニティーズやってみたいので、手始めにとりあえずやってみます。といっても今回の試みは遊びみたいなものですが、コードと手順は残しておくので、もっと格的な研究のとっかかりになればと思います。 コードと手順は以下に残してあります。 コード: https://github.com/takada-at/sep_crawl Google Colaboratory: https://colab.research.google.com/drive/15MB_mhYbX4v

    スタンフォード哲学事典のデータでword2vec - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
  • notionで読んだ論文を管理する - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    いそがしい人のための要約 notionで読んだ論文を記録しよう。 このURLからnotionに登録しよう。 このURLから登録すると私のクレジットが増えます。 まえおき もしあなたが論文を読むことを仕事の一部にしている人であれば、聞いてみたい質問がある。 「今月何の論文を読みましたか? 」「あと何読む予定ですか?」 多くの人は「わからない」と答えるかもしれない。 では、次の質問「論文を読む数を増やしたいですか?」 おそらく「増やしたい」という人が多いだろう。 しかし、最初の質問に「わからない」と答えた人。あなたは今自分がどれくらい論文を読んでるのかも把握していないし、先月に比べて増えているのか減っているのかも把握していない。それでどうやって読む量を増やすのだろう。 現状を把握していなければ増えたのかへったのかも評価しようがない。このままでは、自分のやったことの結果も知らず、年老い、や

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  • 分析哲学の黒歴史: George A. Reisch『冷戦は科学哲学をどう変えたか』 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    George A. Reisch, How the Cold War Transformed Philosophy of Science: To the Icy Slopes of Logic 書は「分析哲学の黒歴史」と呼ぶのにふさわしい内容を扱っている。黒歴史という語はネットスラングだが、ここでは、〈多くの人が忘れたがっており、実際に半ば忘れられてしまった過去〉という程度の意味で使っている。 書によれば、論理実証主義*1という潮流を殺したのは、クワインやトマス・クーンといった批判者達ではない。30年代までは、左翼的な政治運動・文化運動の側面をもっていた論理実証主義の運動(統一科学運動)は、その政治性ゆえに、「共産主義的」と見なされ、冷戦とマッカーシズムの時代にアカデミズムからパージされたというのだ。 もちろん、ある意味では、論理実証主義は排除されてなどいない。現代の分析哲学は、テクニ

    分析哲学の黒歴史: George A. Reisch『冷戦は科学哲学をどう変えたか』 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2018/09/27
    "30年代までは、左翼的な政治運動・文化運動の側面をもっていた論理実証主義の運動[...]は、その政治性ゆえに、「共産主義的」と見なされ、冷戦とマッカーシズムの時代にアカデミズムからパージ"
  • Michael Friedman「現代哲学のカント的テーマ」 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    Michael Friedman, Kantian Themes in Contemporary Philosophy: Michael Friedman - PhilPapers Friedman, Michael (1998). Kantian Themes in Contemporary Philosophy: Michael Friedman. Supplement to the Proceedings of the Aristotelian Society 72 (1):111-130. この論文で、マイケル・フリードマンは、ストローソンとマクダウェルという現代の「カント主義的」哲学者二人のカント解釈を取り上げ、批判している。この二人は哲学の方法論という側面に関しては、ほとんどカント的ではない。 これに対してもちろん「カント的じゃなくてもええやんけ」という反論は可能だろう。フリー

    Michael Friedman「現代哲学のカント的テーマ」 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
  • Simon Evenine, 「でもこれってSFなの?」 - サイエンスフィクションとジャンルの理論 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    Simon J. Evnine, “But Is It Science Fiction?”: Science Fiction and a Theory of Genre - PhilPapers Evnine, Simon J. (2015). “But Is It Science Fiction?”: Science Fiction and a Theory of Genre. Midwest Studies in Philosophy 39 (1):1-28. 目次 ジャンルに対する二つのアプローチ 所属、定義、規範性 所属と定義 規範性 ジャンルを巡る争い マーガレット・アトウッド パミラ・ゾリーン「宇宙の熱死」 @pubkugyo さんに教えてもらった。作品のジャンルについて論じた論文。特に具体的なジャンルとしてSFを取り上げ、SFにおけるジャンルの定義論争などに触れつつ議論をして

    Simon Evenine, 「でもこれってSFなの?」 - サイエンスフィクションとジャンルの理論 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2018/05/31
    "「舞台が西部であることが重要ではない、西部のスピリットが大事なんだ。SF西部劇はありだよ」とか言いはじめるような事態" カウボーイビバップを想起した(あれが西部劇的なのかどうかわからないけど
  • 書いた論文の宣伝: スーパーヒーローの概念史 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    フィルカル最新号(Vol. 3, No. 1)に「スーパーヒーローの概念史: 虚構種の歴史的存在論」という論文を書きました。 BaseまたはAmazonなどから購入できます。あと池袋のジュンク堂さんや新宿の紀伊国屋さんにあるようです。 目次は以下で見ることができます。 http://philcul.net/?p=598 (1) スーパーヒーローの歴史を扱った論文です 38年から80年代くらいのアメリカンコミック史(スーパーヒーローコミックのみ)をざっと扱っています。メインは60年代です。 これを読むと、最近のMCU映画などでも有効な「スーパーヒーロー=トラブルメーカー」という図式や、ユニバース化の傾向がだいたい60年代のマーベルでスタン・リーやジャック・カービーによって作られたということがわかります。また、この論文のメインの主張としては、60年代の前後で、スーパーヒーロー概念が、〈読者が用

    書いた論文の宣伝: スーパーヒーローの概念史 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2018/04/02
    "この論文は、イアン・ハッキングのやっている「歴史的概念分析」(歴史的存在論)を自分でもやってみたというものになります"
  • ノエル・キャロル「ホラーの本質」 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    Noël Carroll, The nature of horror - PhilPapers Carroll, Noël (1987). The nature of horror. Journal of Aesthetics and Art Criticism 46 (1):51-59. だいぶ間が空いてしまったが一応SF、ファンタジーに関する論文を紹介したので、ホラーに関する論文も紹介する。 これはのちに『ホラーの哲学』の1章の一部になった論文だ。書籍の方も読んだ。基的な主張は変わってないが、書籍の方が長いのでそちらを読めばいいと思われる。 The Philosophy of Horror: Or, Paradoxes of the Heart 作者: Noel Carroll出版社/メーカー: Routledge発売日: 1990/04/12メディア: ペーパーバックこの商品を含む

    ノエル・キャロル「ホラーの本質」 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2017/11/04
    分析哲学の人?もM・ダグラスを引くのね
  • Kendall Walton, 「なんて素晴しい!」 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    Kendall L. Walton, How marvelous! Toward a theory of aesthetic value - PhilPapers Walton, Kendall L. (1993). How marvelous! Toward a theory of aesthetic value. Journal of Aesthetics and Art Criticism 51 (3):499-510. Marvelous Images: On Values and the Arts 作者: Kendall L. Walton出版社/メーカー: Oxford University Press, U.S.A.発売日: 2008/04/23メディア: ペーパーバック クリック: 1回この商品を含むブログを見る ウォルトンの美的価値論。この論文では「美的価値」という語を使

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  • 「キャラクタは重なり合う」は重なり合う - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    タイトルに特に意味はない。 少し前に「図像的フィクショナルキャラクターの問題」という論文を書いた。 『ハーフリアル』の翻訳も好評、きえいのゲーム美学者松永伸司*1が、先日フィルカル Vol. 1, No. 2掲載の論文「キャラクタは重なり合う」で、上記の論文を詳細に検討してくれた。エントリは、こちらの論文にリアクションすることを目的とするものだ。ただし、直接の反論というよりは、論文であまり敷衍できなかった論点などの補足が多い。 なお、少し前にシノハラユウキの『フィクションは重なり合う』でも、こちらの論文の内容をさらに応用し、作品批評の形で展開してくれている*2。元々私の論文自体、分析美学におけるフィクションの哲学や描写の哲学の問題をマンガ表現論や批評の文脈に接続することが狙いのひとつだったので、この種の試みは非常にありがたい。 ハーフリアル ―虚実のあいだのビデオゲーム 作者: イェスパ

    「キャラクタは重なり合う」は重なり合う - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
  • 哲学の論文を作る時 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    発表したり、論文を書くとき、自分がいつもどういう工程でやっていて、どこにどれくらい時間をかけているのかというのを考えていた。「この辺効率化できるかなー」とか考えたかったのでいろいろ書き出してみる。できれば他の人の例も知りたいよね。 重要な前提条件: 私は趣味で論文書いたり発表するだけの人なので、業績を増やす必要があまりない。*1 私の場合、基的に作業は、「読む」「考える」「書く」くらいしかない。実験しないし、データ集めたりもない。 工程を区分してみる。 読む: サーベイ 考える 書きだす 書く 読む: 出典探し用の調査 アウトプット用の練習など 各工程どれくらいだろうか。目安以下くらいな気がする(数値は営業日単位なので、一週間5日、一月20日くらいで計算している)。数字はほんとに目安なので、1/2で済むこともあれば、2倍かかることもあるだろう。 1と2: 並行で40日 3: 10日 4と

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  • Jerrold Levinson「音楽作品とは何か」 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    Jerrold Levinson, What a musical work is - PhilPapers Levinson, Jerrold (1980). What a musical work is. Journal of Philosophy 77 (1):5-28. 参照: ジェロルド・レヴィンソン「音楽作品とは何か」 - 病める無限の芸術の世界 作品の存在論の古典。 前半は、音楽作品は、純粋な音構造のタイプであるという説に対する批判、後半は、音楽作品がどのような存在者であるかについての提案となっている。 レヴィンソンによれば、音楽作品の存在論は以下の要請を満たす必要がある。 創造条件。音楽作品は作曲家の作曲以前には存在しない。作曲によって存在するようになる。 個別化条件。まったく同じ音構造をもつ作品であっても、異なる音楽史的文脈で作曲された作品は、別の作品である。 演奏手段の条

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  • マンガのアイロニー - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    at-akada.hatenablog.com アイロニーの話のつづき。前回はグレゴリー・カリーによる映画のアイロニーの話を紹介した。アイロニーとは変な(と語り手が思っている)態度やスタンスをするフリをしてみせることだった。特に言葉によるアイロニーではなく、映画表現固有のアイロニーの場合、変な視点やスタンスをわざとやってみせる映画表現ということになる。カリーの例は多岐にわたるが、これらの表現の特徴として以下のような要素をあげられるかもしれない*1。 通常の映画表現として見ると明らかに変なことをする。 それを意図的にやることで何らかの効果を達成する。 多くの場合、鑑賞者に、物語世界に対して一歩引いた視点をとらせる効果を伴う。 個人的には映画よりマンガの方が得意なのでマンガにおけるアイロニー表現の話をしようと思う。最近諸事情で山直樹作品をよく読んでいた。山直樹作品はシナリオ上もアイロニーを

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  • 本の紹介: ディキンソン『文学の学び方』 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    文学の学び方―付/論文・レポートの書き方 L・T・ディキンソン著、上野直蔵訳『文学の学び方―付/論文・レポートの書き方』、南雲堂、1969年 これ、とてもいいなのだけど、そう言えばあまり知られていないかもしれないと思ったので紹介する。書は、大学で文学を学ぶ学生のために文学研究のABCを教えるために書かれたものだ。原著の初版が1959年、翻訳の初版が1969年で、もはや古典的な教科書といってもよいかもしれない。 私は学生のときにこのを偶然見つけ、パラパラめくって惚れこんですぐ購入した。それ以来、文学研究/批評ってなんだっけ?となるたびにこのをめくっている。 文学研究の教科書というと、イーグルトンの『文学とは何か』みたいに、最新の批評理論を教えるみたいなものを想像するかもしれない。しかしこれはもっとずっとクラシカルで、もっと基的なことが書いてあるだ(古いだからというのもあるかもし

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  • Peter Kulger「意味、カテゴリー、問い: ライルとともにドゥルーズを読む」 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    ドゥルーズとライル(!) Kügler, Peter (2011). Sense, Category, Questions: Reading Deleuze with Ryle. Deleuze Studies 5 (3):324-339. philpapers.org 目次 表示、顕示、意義、意味 カテゴリーと問い 意義の文脈的生産 著者は、この論文でドゥルーズの「意味(センス)」とライルの「カテゴリー」を比較している。もちろんドゥルーズとライルはお互いを参照しているわけではないが(それどころかライルとドゥルーズというのは、併置されること自体驚くような組み合わせだが)、両者の議論は実はかなりの程度類似している。 ライルのカテゴリー ライルの「カテゴリー」というのは、「カテゴリーミステイク」で有名なやつだ。概念はカテゴリーに属する。概念のカテゴリーは、それに対して適切になされうる論理的操作

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  • 『分析美学基本論文集』の論文セレクトについて - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    分析美学基論文集 『分析美学基論文集』ついにでました! 分析美学という分野が認知され、ついに論文集まででたことは大変すばらしいことです。 訳者の方々の労力には頭の下がる思いです。 ただ、ちょっと論文セレクトについてはいろいろ言いたいことがあるので書いておく。まず、この論文集にはいくつかまさに「分析美学基論文」と言えるようなものが入っている。それらの訳が出たことは非常に価値のあることだ。しかし、なぜ入っているか意味不明というか、これが基論文だと誤解されたらいやだなと思うものがいくつか入っている。あとなぜこれが入っていないのかわからないというものがいくつかある。 まず目次をあげる。 アーサー・ダントー「アートワールド」 ジョージ・ディッキー「芸術とはなにか――制度的分析」 ポール・ジフ「芸術批評における理由」 フランク・シブリー「美的概念」 ジョセフ・マゴーリス「芸術作品の評価と鑑賞」

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  • Derek Matravers『フィクションと物語』のウォルトン論 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    Fiction and Narrative 今年の7月に出た。最近読んでいるが、二章のウォルトン論はいい感じなのでまとめておく。 ウォルトンは、フィクションについて、メイクビリーブ理論と呼ばれる理論を立てている。これは、子どものごっこ遊び[make-believe]をモデルに、フィクションを捉えるものだ。ただ、ウォルトンの言っていることはどこにポイントがあるのかよくわからなかったりするので、著者のまとめは啓発的だった。 まず、ごっこ遊びの場合、現実の事柄と、ごっこ(フィクション世界)の中の事柄に対応がある。例えば、泥と箱をパイとオーブンに見たてて遊ぶ場合、現実の真理は右のようなフィクション世界の真理に変換される。 現実世界の真理 フィクション世界の真理 泥のかたまりがある パイがある 箱がある オーブンがある さらに、ウォルトンによれば、こういう風に現実の真理からフィクション世界の真理に

    Derek Matravers『フィクションと物語』のウォルトン論 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ
    ja_bra_af_cu
    ja_bra_af_cu 2014/12/14
    "伝記や歴史を含め、物語はすべて、目の前で起こったものであるかのような想像を指図する""フィクションとノンフィクションの区別ではなく、想像を用いる表象というより根本的なカテゴリーに注目した方がいい"
  • Joel Isaac「ドナルド・デイヴィドソンとアメリカにおける分析的革命、1940-1970」 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ

    先日朝日カルチャーセンターの以下の講義に参加した。 朝日カルチャーセンター新宿:酒井泰斗「独学者のための社会学入門」(全2回) - 日曜社会学>社会学的告知 - 日曜社会学>社会学的告知 内容はネットに書いてはいけないことになっているので特に触れないが、行動科学の遺産というものがあると。 比喩的に言うと、世界各地に超古代文明の遺産が散らばっているのだが、文明が消え去ってしまったため、それらがかつてひとつの文明に属していたことは忘れ去られてしまった。そんな感じで、行動科学の遺産は、人文学のいろいろなところに散らばっている。 で、個人的に分析哲学における行動科学の影響が気になっていたので、これを読んだ。大変におもしろかった。 Donald Davidson and the Analytic Revolution in American Philosophy, 1940-1970 | Joel

    Joel Isaac「ドナルド・デイヴィドソンとアメリカにおける分析的革命、1940-1970」 - うつし世はゆめ / 夜のゆめもゆめ