男らしさ、女らしさ、自分らしさ――「らしさ」から見えてくることは? ちょっと立ち止まって、「自分らしい」生き方について考えてみましょう。 「男らしく」「女らしく」の価値観に隠されたもの 「男らしくあれ」「女らしくしなさい」という言葉は、誰しも言われた経験があるのではないでしょうか。もし、誰かに「自分らしくあればいい」「自分らしさを大切に」と言われたら、肩から荷が降りて自分が肯定されたような気持ちになる人も多いのかもしれせん。 「らしさ」とは一体何なのでしょうか。「自分らしさ」は本当に私たちを解放してくれるのでしょうか? 人の生死や生き方を考える医療人類学者の磯野真穂さんに「らしさ」の正体を伺いました。 「どの社会においても人にはそれぞれの “役割”がおのずと与えられていて、『らしさ』的な表現は、その人の役割を充填する、あるいは自覚させるために、日本にかぎらず多くの社会で使われてきた言葉です