ダイナミックマイクのSHURE SM57、SM58の近接効果について整理してみた。 指向性があるマイクは、音源とマイクの距離が近いと低音の音量が上がってバランスが崩れてしまう。その仕組みについて簡単に触れてみたい。低音が盛り上がってしまう近接効果は指向性を実現する上での副産物であり、本来は不要なものであったと思う。しかし、それを積極的に使って音を作るという流れになっているように思う。 指向性マイクの原理 指向性マイクは正面以外の音をなるべくカットするために作られたもので、原理はダイアフラム正面からの音以外に、裏面からも少し遅れた音を入れることにより実現している。下図の矢印の太さは音圧の大きさをイメージ。 SHUREによると、ダイアフラムの表面と裏面との距離差は約8.5mmらしい。音波がダイアフラムの両面に同時に同音圧で届けば、逆位相となり、その音は打ち消される。重要なのは音源の方向と音圧差