音楽という現象は「いま=ここ」、すなわち行為遂行性の下にしか存在しえない。本書は、文化人類学の観点から理論的考察を深め、メラネシア、シベリア、奄美の生活世界に密着したエスノグラフィーによって、音楽が体験化される場所をつぶさに取り上げ、音楽を自己でも他者でもない「あいだ」を紡ぎ出す過程として掘り起こす。 はしがき 序章 語りえぬものへのエスノグラフィー 1 「生きられる」音楽 2 ジャンベが叩かせる 3 語りえぬものと聞こえるもの 4 本書の構成について 第Ⅰ部 聴取のアルケオロジー 第一章 「いま=ここ」の神話論理 1 神話から音楽へ 2 獅子舞の時空間から 3 「かけがえのなさ」とは何か 4 接合と濃密さ 第二章 「呼びかけ」と「ふり向き」 1 何かが聞こえてくる 2 アドルノ「退行聴取」論 3 呼びかけ、ふり向き、中心 4 音楽地獄の身体 第三章 テリトリーを生み出す「切り分け」 1
![パフォーマンスの音楽人類学 諏訪 淳一郎著](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/6b4b1b293ac796c606af42044580907eead9c407/height=288;version=1;width=512/http%3A%2F%2Fwww.keisoshobo.co.jp%2Fimages%2Fbook%2F101594.jpg)