1960年代にアニメソングを世に広めるきっかけになった「ソノシート」。一編集者としてブームをつくった立役者となった東京都国分寺市の橋本一郎さん(78)が今月、自伝を出版した。手塚治虫さんとのエピソードなど、「アニソン」創生期の貴重な証言も多い。 ソノシートは薄い円盤状の塩化ビニール製シートで、通常のレコード盤と同じ原理で音を出す。レコード盤より音質は劣るが、安価だったことで人気を集めた。橋本さんは61年にソノシート出版の中心だった朝日ソノプレス(後の朝日ソノラマ、2007年に会社清算)に入社。国産の本格連続アニメとして初めてテレビ放送された手塚さんの「鉄腕アトム」の主題歌をソノシートにして63年に出し、120万部という大ヒットを生んだ。 続く藤子不二雄さんの「オバケのQ太郎」では、「オバQ音頭」が総計600万枚を突破する記録を打ち立てた。特撮でも66年に始まった「ウルトラQ」などウルトラシ