昔の話だけれど構造主義に関心を持っていた時期があった。 今考えればこれには理由があって、当時ホログラフィやフーリエ解析のコンセプトに 興味を持っていた上に(当時ブームになりかかった)ライアル・ワトソンやフルシ チョフ・カプラらのホーリズムにも関心が向いていた。 つまり一言で言えば『部分と全体のかかわり』に興味があったのだ。 そのくせ当時、僕は結局レヴィ=ストロースを読まなかった。 何故だろう? 今もってわからない。 最近やっとレヴィ=ストロースの「悲しき熱帯」を読んだ。 本当にすごい本だなぁ、と思った。 松岡正剛氏が「千夜千冊」に書いている通り、この本は実に奇ッ怪かつ破天荒な本だ。 さて、この本の内容や意義については松岡氏の文章を読んでいただくとして、ここでは 僕なりの読後感を書いてみたい。 まず「1巻は面白くない。ブラジル奥地の先住民への接触やそこでの体験を綴った2巻 のほうが面白い。2