ジャンヌ・ダルクは戦場にあっても剣を振るうことを好まなかったことはよく知られているが、だからといって丸腰ではなく、ちゃんと剣を下げていた。しかも、その剣には不思議な、ある種の神がかり的なエピソードがある。 シノン城でシャルル7世との面会を果たし、オルレアン行を認められたジャンヌは装備を整えていく。そこで彼女は不思議なことを言い出した。サント・カトリーヌ・ド・フィエルボワという町にある教会の祭壇の後ろの地面に剣が埋まっていると声がした、と。そこで人を遣って調べさせたところ、十字が五つ刻まれた錆ついた剣が発見された。この五つの十字架はキリストの聖痕に対応するデザインである。ジャンヌのもとに送られ錆を落とし整えられると、これを下げてジャンヌは戦場を駆け巡ることになる。のちに「フィエルボワの剣」と呼ばれるジャンヌ・ダルクの愛剣である。ちなみに発見されたサント・カトリーヌ・ド・フィエルボワ教会は現在