中国史の本を読んでいると【宦官】という言葉がしばしば登場します。 三国志ですと後漢の朝廷を支配した「十常侍」、劉禅に寵愛された黄皓が有名でしょう。 『水滸伝』の四大姦臣の一人・童貫も宦官です。 彼らの扱いは総じて、主君の寵愛をかさにきて国を滅ぼす原因を作った「獅子身中の虫」というケースがほとんど。 「宦官のせいで国が滅びた!」 なんて、あまりに言われ過ぎるものですから、だったら『なぜ最初から宦官なんて置くんだ? マズイなら排除しておけばよいではないか?』と疑問に思われませんか? 宦官のせいで権力をかすめとられた当時の官僚や軍人たちだって、おそらく同じことを考えていたことでしょう。 ただこれが、後宮で寝起きする皇帝自身や妃たちとなると話は別でしょう。 宦官がいなくなったら明日からどう暮らしたらいいのか。そんな風に途方に暮れたはずです。 なんせ彼らの身の回りを世話するのは宦官と宮女。幼い頃から