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2023年2月27日のブックマーク (1件)

  • 哲学の論文に論証が必要であるわけではないこと|山口尚|note

    哲学の論文について「この論文には論証が無い」と批判するひとがいる。こうした批判が的を射たものかどうかはケース・バイ・ケースである。なぜなら――必ずや掴んでおくべき点として――狭義の「論証」には、すなわち論理的に形式化された論証には、行なえない仕事が哲学には存在するからだ。その仕事とは〈物事を新たな相のもとで見られるようにする〉という仕事だ。以下、この点を直感的に説明したい。 「論証(argument)」は、狭義には(すなわち一般に学術的な意味では)、複数の前提から結論を導き出すという構造をもつタイプの文章を指す。ここで――論証の重要な特徴だが――前提と結論のあいだで語の解釈は一定である。さもなければいわゆる「誤謬(fallacy)」が生じる。 さて押さえるべきは、〈物の見方を変える〉というのはこうした論証の行ないうることではない、という点だ。例えば――比喩的な説明になるが――次の図Aを見て

    哲学の論文に論証が必要であるわけではないこと|山口尚|note