森且行がオートレーサーを目指し、SMAPを脱退したのは1996年5月のことだった。グループの冠番組『SMAP×SMAP』放送開始の翌月である。 今では珍しくなくなってしまった、現役のジャニーズアイドルのグループ及び事務所からの脱退だが、当時は異例中の異例のことだった。特に森は、その歌唱力の高さから初期のSMAPを引っ張っていたメンバーでもあり、6人の中で最も早く連続ドラマで主演を務めたのも彼だった。 しかも、抜けたのは“1996年のSMAP”。 1991年に発売されたデビュー曲で、ジャニーズとしては珍しく1位を取れなかった当時を本人たちが「僕ら、落ちこぼれだったからね」と振り返った話は有名だが、この年はそれまで溜まったパワーをいよいよ爆発させんとしているとき。 前年にはジャニーズとして初めて日本テレビ系列24時間テレビのパーソナリティーに抜擢。前月から香取慎吾の初主演ドラマ『透明人間』と、