次は,ユーザー企業に運用担当者として常駐するケースである。システム・インテグレータに所属する藤原康宏さん(仮名)は,あるユーザー企業の会計システム構築プロジェクトに参加した後,そのシステムの運用担当者としてユーザー企業に常駐し,1人で作業に当たっていた。 ある日,月次処理の準備をしていた藤原さんに,ユーザー企業の事業部長が声をかけた。「1時間後の経営会議に,会計データの資料を提出したい。作ってもらえないか」。飛び込みの作業依頼だった。依頼されたデータは帳票などには出力されておらず,データベースのデータをSQL文で参照して加工する必要がある。がんばれば1時間程度で資料を作れるが,その日は経理部署向けの月次処理を実行する日だった。月次処理を実行するには手作業の準備が必要で,事業部長の依頼を引き受けると,月次処理を決められた時間までに終えることができない。 藤原さんは,月次処理の準備があるので今