日本各地で夜景を観光資源として生かした取り組みが生まれるなど、今や夜景観光がブームになっている。日本の風土によって、夜景もさまざまな表情を見せてくれる。日本各地の夜景スポットを巡る旅に出かけよう。 夜の光の世界に魅了されてきた日本人 日本は、青森のねぷた祭りや京都の大文字の送り火など、夜祭りと呼ばれる祭事の数が世界で一番多いといわれている。それは平安時代より花鳥風月を好み、とりわけ月を詠んだ歌が数多く詠まれてきたという日本人のメンタリティによるのかもしれない。そうした歴史的背景もあってか、日本人は夜への美的感覚を大切にし、その光景を愛(め)でる鑑賞文化を独自に発展させてきた。ここ10年ほどでもLEDを活用したイルミネーションは全国で1000カ所を越え、他国では珍しい有料型イルミネーションも多数登場するなど、夜の一大エンターテインメントとして成長を遂げた。中には、数十億円の売り上げを誇る大型