「子供は野の花が咲き昆虫の住む場所を土と見、大人は土地と捉えるのです」 福島県郡山市出身の詩人、故・佐藤浩氏の言葉だ。夏本番を前にプールや遊園地へと子供たちの気持ちは逸っているが、親たちは福島第一原発事故によって汚染された土地のことを度外視することはできない。京都大学原子炉実験所の元講師、小林圭二氏が言う。 「政府が子供の年間被曝限度量を1ミリシーベルトから20ミリシーベルトに引き上げたことは記憶に新しいが、根拠のない非科学的な数値です。子供は小さければ小さいほど、より放射線に対する健康リスクが高まります。5歳の子より、3歳の子のほうが細胞分裂が活発に行われているからです。 放射線によってダメージを負った細胞が加速度的に増えていき、白血病や甲状腺がんなどの原因になってしまう。どんな低線量でも人工の放射線は浴びないに越したことはなく、大人より子供のほうが放射線に脆弱なのです」 本誌は前号、前