最近、シリコンバレーでは『クラウド・エコシステム』という言葉が流行している。サンノゼやサンタクララなどで開催されるIT会議や展示会に行けば、この言葉を良く耳にする。なんとなく聞き流してしまいそうだが、同業界のキャッチフレーズがクラウド・コンピューティングからクラウド・エコシステムに変わったのは、それなりの理由がある。その裏には、パブリック・クラウドが「アマゾンの一人勝ち」に向かう現状をなんとか食い止めようとする駆け引きが隠されている。 クラウドの基本:超集中と超分散 クラウド・エコシステムの話に入る前に、簡単にクラウドの説明をしておこう。 クラウドは、今後情報処理システムの主流となる---と言っても、日頃パソコンしか利用しない私たちにはなかなか縁のない世界だ。しかし、知らない間に、クラウドは携帯電話やタブレットなどで私たちの生活に大きな影響を与えている。また、市場競争でもクラウド企業システ