法人向けにシステムやソフトウェアを販売するエンタープライズの分野においても、成長中のスタートアップは多い。コンシューマー向け製品を開発するスタートアップは「グロースハック」を駆使してユーザーを拡大することに懸命になるが、販売ターゲットが法人、特に大企業の場合にはこうしたグロースハックの技も効果をなさないことも多い。 その点、Business Insiderの記事が紹介していた、顧客関係管理ソリューションを提供する Salesforceが指摘する「大企業向けにソフトウェアを販売するのが難しい理由」が面白い。Salesfoceが最近、証券取引委員会向けに提出した年次報告書の中で「リスクファクター」として法人顧客への営業の難しさを挙げている。 その内容をかみくだくと、次のようなものだ。 営業サイクルが長く、コストがかかる。大企業の契約は一度取れれば、その後安定するというメリットがある反面、契約が