準優９Ｒは中村桃佳（２５＝香川）が、中越博紀、森高一真との激しい２着争いを制して優出を決めた。 最後は逃げた中田元泰にも迫る猛追で、節一級の足を証明した。「夜の足は本当にいい。展開を突ける足ですね」とニッコリ。レディースオールスターを制して勢いに乗る元気娘は、地元の強豪男子を相手に堂々と渡り合っている。地元初Ｖを狙う優勝戦も目が離せない。

石野貴之（３５＝大阪）が久々の地元優勝へ王手をかけた。予選トップ通過から準優１１Ｒを快勝。優勝戦１枠を手にした。 相棒の１０号機は完調。「えぐい足です。めちゃ出てます。スリットからすごく出ていく。全部の足がいい」と、これ以上ない手応え。勝てば１６年１０月以来の住之江Ｖとなる。最後も隙をみせずに完勝する。

まさに負けて強し。準優９Ｒで雑賀勇貴（２７＝大阪）が節一パワーを存分に発揮した。 ２コースからコンマ０５の全速ダッシュでイン山崎郡（２８＝大阪）をひとまくり。ただ、角度が悪く、田中信一郎（４５＝大阪）と上條暢嵩（２４＝大阪）の差しを許してしまった。終わってみれば５着に雑賀は天を仰いだ。ピットに引き揚げるなり「これだけエンジンが出てて悔しいっす！　ひと言で表現すれば足は強烈。最終日にまとめて勝って帰ります」。 選手仲間から「すごかったな」と、まるで勝者の扱いだった男は、４、１０Ｒでの雪辱を力強く誓った。

小山勉（３１＝埼玉）の１４号機は複勝率３０・７％の平凡機だが実戦足は悪くない。 「乗り心地がしっかりしてるし、ターンの押しもある。差し向きの足です」。準優１０Ｒはカド戦が濃厚な４枠。江口晃生の前付け必至で、内がもつれるケースも考えられる。「１Ｍは全神経を集中していく」と意気込み、しっかりと展開をとらえて優出を目指す。

９度目のＳＧ優出を果たした篠原睦は惜しくも２着に敗れて、ＳＧ初制覇を果たせなかった。 ２枠からＳ２番手につけ、道中で４番手まで後退したが、５周目で再び２番手に浮上。仕掛ける高橋貢を封じて２着を確保した。「Ｓのタイミングは、そこそこ攻めれたけ浮いた。道中も大きいところを走らされたりしてきつかった。でも、いいレースだった」とさばさばした表情だった。

絶対王者・高橋貢は３着に敗れたが、存在感を存分にアピールした。６枠のトップＳの佐藤に乗って、７枠からバック３番手につけた。序盤は３者の激しい競り合いで、後半は篠原と２着争いに持ち込んだ。 「新品ヘッドに換えて車は良くなっていた。まくったと思ったらタイヤが流れた。もう少し食いついてくれれば、もうひとつ上にいけたかも」と振り返った。

和田圭（３２＝宮城）は直前の西武園でＧ３初制覇を達成。 ３番手からの鋭い伸びで突き抜けた。レース後には朝まで飲むと宣言していたが「いやいや、少しだけです」と照れくさそうに笑っていた。「（ここまでの）１週間はあっという間でした。雨も降ったし、Ｇ１だから普通の開催のように普通に乗ってきただけ」と話すと「おれなんかの取材はもういいでしょう」と和田節で笑わせていた。１予３Ｒは早坂秀悟の番手回りから鋭脚再現を狙う。

すっかりベテランの域に入った大竹慎吾（５２＝大分）だが、今期のＡ級戦では安定感たっぷりの走りを見せている。今回はさらに楽しみなフレームが届いたという。 「今は３・９２のギアだけどかつて４倍ギアのブームだったころとさほど変わらないフレームを使っていた。でも今回はギアとフレームのサイズを研究したものを練習で使ってみたら、自分でもびっくりするくらいのスピードが出た」と自慢のフレームを引っ提げての登場だ。初日特選は九州３番手だが、直線の伸びに注目だ。

深谷知博（３０＝静岡）の勢いが止まらなくなってきた。前半９Ｒは５コースからまくり差し、後半１２Ｒはイン逃げで１着。これで２日目から４連勝だ。「操縦性はいいです」とターン回りで上々の動きを誇る。 ４日目は７、１２Ｒの２走。持ち前の切れ味を駆使して、シリーズリーダーの座は譲らない。

斉藤仁（４０＝東京）が準優１１Ｒで逃げ切った。 スタートタイミングはコンマ０１。若林将のフライングがあるなど、セミファイナルは激熱のスリット攻勢をしのいでインから押し切った。 足は「出足、伸びは出て行くまではないけど戦える。行き足を中心にバランスが取れている」と３９号機は好手応えだ。 今年はすでに２月住之江、戸田で２回の優勝。ここを勝てば今年３回目のＶになる。 「今年は昨年よりも優勝戦に乗ったら優勝を意識して走っています」と話す。準優１２Ｒ１号艇の飯山泰も勝ったため、優勝戦は２号艇になったが「しっかり差せるように集中して乗るだけ」ときっぱり。優勝戦は斉藤の俊敏差しが注目ポイントだ。

田口節子（３７＝岡山）が身軽になって勝負駆けに臨む。３日目までは、無事故で終わることがテーマだった。 走りが制限される中、辛うじて、予選突破圏内に残った。「これで、事故率を気にしなくていいのは大きいです」。さあ、「新期」一転。４日目からは、５１号機のパワーをフルに生かす。ノルマは２走１５点。７、１２Ｒで思う存分、テクニックを駆使する。

長田頼宗（３２＝東京）が５Ｒで３コースからまくって今節初白星を挙げると、後半１２Ｒは逃げて快勝。連勝で初日の４、５着から巻き返した。 「（１２Ｒは）調整が合っていて、いいターンができた。足は普通ぐらいだけど、ターン出口でしっかりと舟が返ってくる」。求めるターン回りが上向いたなら、３日目も白星を積み重ねる。

魚谷智之（４２＝兵庫）が準優１０Ｒをイン逃げで勝ち上がり、優出一番乗りを決めた。 「調整はいいゾーンに入っているし、出足や行き足だけでなく回った感じもいいです。前期が事故パンだったから、新期になるしスタートは行くよ」と目を輝かせた。優勝戦は３号艇で意外にも今年初優出となったが、５月２２日から控える地元ＳＧオールスターへ弾みをつける走りを見せる。

長谷川雅和（２８＝岡山）が今期を６・３３で終えた。ボーダーは６・２３付近で、初のＡ１は確定的だ。今期は安定した動きを見せ、昨年１２月の江戸川でデビュー初優勝をマークするなど、実力をつけたところを証明した。 Ｂ１からＡ１へ２階級昇級となる“飛び級”に長谷川は「ホッとしたというより、もっと頑張らんといけないという気持ちになります。精度の高いＡ１の選手に早く追い付きたい」。喜びより来期に向け、気持ちを引き締める。 今節も余裕で予選を突破。ターン回りを中心に足もトップ級に仕上げている。準優に向けては「攻めるのが僕の持ち味。思い切って行きます」。２枠に入った準優１２Ｒ。ＧＷシリーズの地元戦で優出を狙う。

０４年デビューの佐藤貴也（３３＝浜松）が、ＳＧ初優勝を飾った。 グレード戦は７回目のＶ。抜群のスタートから逃げ、激しい２番手争いも味方に先頭を守り切った。３連単は２０万円に近い高配当。表彰式では「ベットオンミー」を絶叫した。２着は篠原睦、３着は高橋貢。 ３連単は（６）（２）（７）１９万７７１０円、２連単は（６）（２）１万６１９０円。 ※成績、払戻金などは必ず主催者発行のものと照合してください。

前期８９点の点数が今期は飛躍的な９６点という驚異的なアップを見せた古川貴之（３４＝佐賀）。 覚醒的な上昇の要因は「今まで形通りの街道練習が中心だったが、いろんな人の意見を聞いて初めてウエートトレーニングに比重を置いたら半年くらいしてから急に良くなってきた」と話す。「踏める距離が長くなって、自然に先行の決まり手が増えてきた。それに弟子（金ケ江勇気）の頑張りもあります」と好条件がそろっての躍進だ。 ６年ぶりのＳ級も視野に入り充実度は増す一方。初日特選も竹元太志マークから勝利を目指す。

３３期・稲原瑞穂（２２＝飯塚）は前節伊勢崎２日目にデビュー５３戦目で初勝利を飾り、最終日には連勝を決めた。 ともにパワーがない２級車向きの湿走路を味方に付けてのものだった。「（勝因は）雨とＨ位置のおかげ。１級車に抜かれてからコース取りが乱れる。突っ込みが足りない。スタートして１、２角までが遅い」。しっかりと課題を挙げて練習に取り組んでいる。今節良走路で逃げ切ることができれば自信につながるはずだ。

予選トップ通過の里岡右貴（３２＝福岡）が準優敗退。代わって岩崎正哉（４５＝福岡）が優勝戦の１号艇を手に入れた。 「バランス型で上位に入る」と仕上がりは文句なし。今節は準優を含めてイン戦は３回あったが、すべて１着。 前節（柳生泰二）に続く５０号機連続Ｖへ条件は整った。

寺田祥（３９＝山口）が優勝戦の好枠を獲得した。 準優１２Ｒはインから６番手のスタートだったが、きっちり伸び返して押し切った。「全体にバランスが取れて悪くない」と機力もまずまず。当地正月シリーズ以来となる今年２回目のＶは目前だ。

遠藤晃司が初日２、１着と好発進を決めた。後半８Ｒでは浜野谷憲吾を相手にインから押し切った。「久しぶりに逃げられたよ。ペラはだいぶたたいた」。 仕上がりに関してもムードはいい。「反応があっていいよ。伸びで下がらなくなったし、ターン回りが力強いね。悪いエンジンだと、どう調整しても全く反応がないけど、今回のは面白い」と１２号機に太鼓判を押す。調整次第で、さらに良くなる可能性も十分。２日目１０Ｒは直前気配に注目だ。

加藤政彦が３日目２、１着で得点率２２位タイから逆転で準優入りを決めた。「何とか間に合いました。ペラはたたいて正解だったと思います。１Ｍも前に押していました」と調整を合わせて勝負駆けに成功。 準優１２Ｒは５号艇。「本当はもう少し伸びを付けたいけど…。ともあれ、アウトから展開をしっかり突けるように調整したい」と話した。混戦の１Ｍ、鋭いまくり差しで２月多摩川以来、今年２回目の優出を狙う。

関浩哉が軽快なターン回りを武器に、５走のうち４回舟券に絡んでいる。スタートの切れ味は見ての通り、攻める気満々だ。 「浜名湖のヤングダービーに出られる勝率が欲しい。目標にしてる椎名豊さんが今年で卒業枠だし、一緒に出たいんです。もちろん椎名さんに追い付いて、追い抜きたい気持ちでやってる」。ヤングダービーの選考期間は６月末まで。現在はボーダー付近で、４日目３Ｒはもちろん、一般戦の１１Ｒも攻めに徹する。

広瀬真也が待望の地元初優出を決めた。 準優１０Ｒはカドからコンマ０６の好スタートを決め、握って２着をゲット。「やっと乗れた。これまでも手応えはあったのに準優で失敗していた。地元の壁がなくなりました（笑い）」。Ａ２級の勝負駆けで気合も充満している。「バックの伸びとかもいいし、優勝を狙える足なのでチャンスはある」。フルダッシュで、Ａ２級勝率の確保とデビュー２度目の優勝を狙う。

１１１期ルーキーの南潤（２０＝和歌山）が逃げ切ってＶ。デビュー最速Ｇ３優勝を果たし「勝ちを意識せずに仕掛けた。結果が出て良かった」と胸を張った。 堂々のレース運びで大記録を達成した。昨年７月にデビューして２９８日目。１０７期の新山響平が１６年７月に達成した３８７日目の記録に、先行策で挑んだ。前団をたたくと、軽快に踏み直して勝った。Ｇ２サマーナイトフェスティバルと、Ｇ１競輪祭の出走権をつかみ「今後はもっと上のレベルで強い人たちから学びたい」と気を引き締めた。 なお、新設されたガールズ初の４日制シリーズは、尾崎睦（３３＝神奈川）が３角まくりで、梅川風子と奥井迪の先行争いを仕留めてＶ。「ガールズグランプリを目標に頑張る」と好走へ意気込んだ。【野島成浩】

地元飯塚の雄、浦田信輔が見事なレースで優勝戦にコマを進めた。 ４日目準決１０Ｒは５枠から速攻。１周４角で早くも先頭を奪い、楽々と８周回を乗り切った。「試走から手応えはあり過ぎ。スタートはフライング覚悟で、思い切り良く切った」。ＳＧ優勝８回のグランドスラマーは、オールスターはＶ３回と最も実績がある。「考えている調整をする」。最後にスパイスを利かせ、マシンを仕上げる。

【海老ちゃんの厳選２本】 ◆１２Ｒ優勝戦　４日目に動きが一変した浦田が頂上決戦を制す。３日目後にクランクやロッドなどを交換する大整備を行った。準決は好スタートから２番手につけて１周４角で逃げた前田をさばき独走に持ち込んだ。本来の鋭い動きを取り戻して圧勝した強さは本物。新井はエンジンを組み直してマシンを仕上げ、大会連続優出を決めた。準決９Ｒはスタートが切れて後半の伸び足も目立った。今年１月のＳＧ全日本選抜優勝戦３着と当地走路との相性はいい。成長著しく頂点を狙える勢いがある。２連単（１）（４）と（１）（３）の２点。 ◆１１Ｒ　準決９Ｒの永井は大外枠が響いた。５番手から前を追ったが先行３車をとらえられなかった。ここは１枠から突っ張って逃げに持ち込み押し切る。センター枠に入った浜松の金子と木村は有力な連対候補。２連単（１）（４）と（１）（５）の２点。

【天野保彦のオレに任せろ】 グランドスラマーが底力を見せる。「オレに任せろ」の天野保彦は、優勝戦の本命に中村雅人（３７＝川口）を指名する。準決１１Ｒは執念の逆転勝ち。マシンは確実に良化しており、ＳＧ優勝が十分可能な状態とみる。１６年グランプリ以来、７回目のＳＧ奪取に期待だ。 準決１２Ｒで鈴木圭一郎がまさかの落車。ざわめく場内同様にロッカーも騒然となった。断然の本命と見られた選手が不在となり、中村雅人がＶ候補筆頭に躍り出た。準決では執念の１着奪取。３番手からじわじわと前の２車に迫った。木村武之をさばくと最終回で青山周平を猛追。ゴール寸前でとらえた。 長い写真判定の末の１着に「終始、後ろにつけてエンジンは強めだった。前が重なったので、じっくり追った」と笑顔がのぞく。３日目５着後の調整が見事に成功した。クランク、ロッド、リング、メタル、クラッチ板を交換。大整備を敢行し、準決の走りに結びつけた。

南－山本－松岡、小林、鈴木－山下－真崎を赤板で大矢－柴田が押さえた。鈴木が打鐘で先頭に出ると、最終ホームでは南がたたいて主導権を奪取。南はそのまま押し切ってＶ。番手で粘った鈴木が山本を飛ばし、その後位で足をためた山下が２着。