新聞各紙の論説委員出身者らでつくるNPO法人「総合政策研究会」(玉置和宏理事長)は18日、二酸化炭素(CO2)排出量を削減する技術開発が進む石炭火力発電を原発に代わる電源として推進するよう求める提言を、枝野幸男経済産業相に行った。 石炭火力は天然ガスなどに比べCO2排出量が多い欠点があるが、安価で供給力が安定しているメリットがあり、新技術でCO2排出量を最大4割程度削減できれば地球温暖化対策にも対応できるとしている。 提言は2030年代に原発稼働ゼロを目指す政府方針について、使用済み核燃料をどう処理するかなど課題が多く、「スローガンだけが宙を舞っている感がする」と指摘。脱原発の世論が高まる中、当面は技術開発でCO2排出量を削減しながら、原発の代替電源として石炭火力を活用すべきだとの考えを示した。 石炭を燃やして発生させた蒸気を高温高圧にして発電効率を高める最新技術では、発生するCO2を従来
政府は4日、関係閣僚によるエネルギー・環境会議(議長・古川元久国家戦略担当相)を開き、原発依存度をゼロにする場合の課題と対応策を議論した。枝野幸男経済産業相は、30年の原発ゼロを目標にすると、現在停止中の原発の再稼働が難しくなり、電力需給の逼迫(ひっぱく)と電気料金上昇を招くとの文書を提出。省エネと再生エネ拡大には、30年までの累計で150兆円の投資が必要との試算も示した。 枝野氏は報告で、30年に原発をゼロにすると、電気代を含む光熱費が最大で月3万2243円となり、10年実績の1万6900円の約2倍に上昇すると説明した。 また、将来のゼロ目標を決めた段階で、原発再稼働への関係自治体の理解が得られなくなり、即時にゼロとせざるを得なくなる▽原子力の安全を支える技術や人材が失われる▽核燃料サイクル見直しで、再処理を前提に使用済み核燃料を受け入れていた青森県の理解が得られなくなる−−とも指摘した
【北京・米村耕一】北朝鮮当局が、外貨獲得の最有力手段である地下資源を無許可で開発・輸出した者には死刑を含む厳罰を科す方針を決め、国内向けに6月中旬に通知していたことが分かった。毎日新聞が入手した人民保安部(警察に相当)の布告文に記載されていた。朝鮮人民軍を背景にした企業や機関による資源開発利権の独占状態を是正し、貧富の格差拡大に歯止めをかける狙いとみられる。金正恩(キムジョンウン)第1書記による国内改革措置の一つと位置づけられる。 「国の地下資源を侵害する者たちを厳格に処罰することについて」と題する布告文は▽国家の承認を受けずに地下資源を採掘、売り買いして金もうけをしてはならない▽掘り出した地下資源を他国に勝手に売ってはならない−−などと規定。布告に反した場合、それまでに当局から受けていた地下資源開発の承認が取り消される上、資金、物資、設備がすべて没収され、重大な違反のケースには死刑にする
愛媛大学農学部の逸見彰男教授(65)=環境産業応用化学=の研究グループは12日、放射性セシウムを吸着する人工ゼオライトを開発し、福島県南相馬市などで実証実験を始めたと発表した。福島第1原発事故による放射能汚染地域の除染に有効といい、2年以内の実用化を目指している。 人工ゼオライトは、石炭火力発電所から生じる石炭灰から生成。消臭剤や水の浄化に利用されてきた。ゼオライトは放射性セシウムを吸着する働きがあり、逸見教授らは昨秋、人工ゼオライトを生成する際に鉄化合物をまぜて磁気を帯びさせることに成功。この人工ゼオライトをまいた放射能汚染土壌を磁石を使って仕分け、除染された土壌と、セシウムを吸着したゼオライトとに分けることを可能にした。 1キロ当たり数千〜1万ベクレルの汚染土壌を同500ベクレル以下に、農作物では同20ベクレル以下に下げられると見込んでいる。国が定める農作物を含め、一般食品の基準は同1
直方市は、市石炭記念館(同市直方)をリニューアルする。建物を改修し蒸気機関車(SL)を補修するほか、収蔵品の配置変更による展示刷新など秋ごろの完了を目指す。関連費用約915万円を盛り込んだ12年度一般会計補正予算案を15日開会の6月市議会に提案する。 石炭記念館は旧筑豊石炭鉱業組合直方会議所として1910(明治43)年に建てられた本館と、90年建築の別館などからなる。坑内調査に国内で初めて使われた酸素呼吸器や、軍艦島の通称で知られる端島炭鉱(長崎県)の模型など、多くの貴重な資料を所蔵している。 市教委によると、老朽化した窓枠や展示品を修理したうえで、炭鉱の歴史や救護訓練などテーマに分けた展示コーナーを整備する予定。炭鉱事故対応を学ぶために設置され、現在は閉鎖中の訓練坑道も、中が見られるようにする。 補修するSLは旧貝島大之浦炭鉱(旧宮田町)が1925(大正14)年に輸入し、76年の閉山まで
政府のエネルギー・環境会議の「コスト等検証委員会」は19日、原子力の発電コストを最低でも従来比5割高となる1キロワット時当たり8・9円とする電源別コストの報告書を了承した。報告書は、石炭火力の30年時点のコストを原案の10・8~11・0円から10・3~10・6円に微修正。二酸化炭素排出対策費が今後の技術発展で減らせることを考慮した。 原発の発電コストでは、東京電力福島第1原発事故を受け、従来は含めなかった事故発生時の賠償や廃炉などの費用(約5・8兆円)や立地対策費などを新たに盛り込んだ。 再生可能エネルギーのうち、統一的な試算がなかった陸上風力(10年時点で1キロワット時当たり9・9~17・3円)や地熱(同9・2~11・6円)は、有力と評価した。住宅用太陽光も、技術開発が進んで30年時点で9・9円と火力発電並みに下がると予想した。【和田憲二】
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