九州が泣いている。熊本地震の被災者だけでなく、困窮の波紋は隣接各県にも。なにか、できることはないか。読者からのメールや手紙をめくると−−あった! 「30年前、福岡県・英彦(ひこ)山(さん)近くの店で求めた『黒ダイヤ』。店はもうないと言います。あの羊かんをもう一度食べたい」(大阪府箕面市、中野明子さん)。名前からして産炭地・筑豊ゆかりの銘菓だろう。今回の探し物は頑張る九州に向けての小さな、小さなエールでもある。 かつて「黒いダイヤ」と呼ばれた石炭。その名がついた羊かんにも盛衰のドラマがあった。北九州市の知人に電話すると「筑豊・田川の銘菓だったが、いまは飯塚の菓子店で製造販売しているはず」という。調べると福岡県飯塚市の有限会社・亀屋延永。地震発生から1カ月後の5月中旬、亀屋延永を訪ねた。 この記事は有料記事です。 残り1216文字(全文1563文字)