筑豊とともに県内の主要な石炭産地だった三井三池炭鉱を写真で振り返る企画展「ありし日の三井三池炭鉱」が、桂川町寿命の王塚装飾古墳館で開かれている。大野城市の平原健二さん(82)が収集したモノクロ写真など約200点を展示している。無料。 写真は明治後半から昭和30年代に撮影されたものが中心。大煙突から黒煙がもくもくと上がる風景や、坑内から石炭を担ぎ出したり坑内電車に座ったりする労働者たちが写っている。選炭機を挟んで作業する女性たちの姿は、表情が伺えるほど克明だ。 展示品には、ゆりかごがある保育所などが写った絵はがきや、地元大牟田市の観光協会が1949年に発行した観光地図も。地図には駅を中心に市内の炭坑配置などが描かれている。 北九州市から家族で見に来た会社員、松田隆さん(55)は「幼い頃近くに炭坑はあったが覚えているのはボタ山くらい。先人たちの苦労が写真から見て取れます」と話していた。