古川裕也氏、初の著作『すべての仕事はクリエイティブディレクションである。』(宣伝会議刊)を記念し、アドタイで好評だったコラム「脳のなかの2匹の金魚」が全6回で復活。これまで出会ったさまざまな名作映画、音楽、小説を手がかりに、広告クリエーティブの仕組みや考え方をつづっていきます。 A 「麻薬中毒患者の幻覚のようなこの絵を見て、みんなり笑わずにはいられなかった。絵の印象を端的に言えば、この画家は妄想に打ち震えながら絵を描く狂気の画家だ」 B 「昔からよくあるうまくつくられたニセモノ」 C 「コンサート開始15分ほどで、観客の私語が聞こえはじめ、床を踏み鳴らすような音がかすかに聞こえてきた。それはやがて演奏よりもはるかに大きな音となった。そのうち、その騒音に、つまり床を踏み鳴らす音と演奏とに耐えきれなくなった多くの人たちが、不快感を隠すこともなく出て行った」 D 「戦力で国を防衛するという、自衛