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  • 認知症外来を始めて7年、ブログを始めて6年、開業して4年。 - 鹿児島認知症ブログ

    「なぜ認知症を診るようになったのか?」と聞かれることが時々あるので、書いてみる。 認知症専門医でも何でもない自分が「認知症外来」と銘打って認知症患者さんを診るようになったのは、2012年の11月からだった。 その前年の2011年に赴任して引きついだ外来には多くの認知症患者さんがいたのだが、それまで脳卒中診療一筋だった当時の自分には認知症に対応するための引き出しが少なく、当然のことながら四苦八苦することになった。 「認知症は頭の病気でしょ?」と外来に紹介されてくる患者さん以外に、過去に自分の先輩方が診てきた患者さんたちが高齢化し、認知症を発症していたケースも多かった。 「一度脳神経外科医が関わったのなら、その後もできる限り脳神経外科医が関わり続けるのがスジだろう」 そう思ったので、四苦八苦を二苦四苦ぐらいにするつもりで色々と勉強しているうちにコウノメソッドを知り、今に繋がっている。 崇高な理

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    jflkg4u 2020/03/23
  • 引きつがれていく何か。 - 鹿児島認知症ブログ

    「お母さんは認知症なんだから、自分がすぐ忘れるということをちゃんと自覚してよ。私たちも大変なんだから!」 「父さん、同じ事を何回確認したら気が済むんだ。それはさっきも聞いてきただろう!」 認知症の親に病気を自覚させようと、親が忘れたら注意し、間違えたら叱る子どもたち。 親が横にいるにも関わらず、あけすけに親の間違いを指摘し自分が親から被っている辛さを言い募る様子から、これまでの親子間にあったであろう何事かを想像する。 苦渋の表情を浮かべ必死に否定するか、または無表情に感情をシャットダウンしているお父さんお母さんたち。 国の在り方と個人間の関係を同列で語りたいわけではないが、エドマンド・バークの遺した「Reform to conserve(保守するための改革)」という言葉が好きだ。 [新訳]フランス革命の省察 「保守主義の父」かく語りき posted with amazlet at 19.0

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    jflkg4u 2020/03/09
  • 剥がれやすくなってしまった新型リバスタッチパッチ・イクセロンパッチ。 - 鹿児島認知症ブログ

    抗認知症薬のリバスタッチパッチ・イクセロンパッチは、急激な薬剤血中濃度上昇をきたしにくく、安定して薬効を発揮するという貼付剤ならではの長所がある。 一方、短所は痒みやかぶれといった、やはり貼付剤ならではの皮膚刺激症状である。 リバスタッチパッチ・イクセロンパッチによる皮膚かぶれ 意欲や活気上昇といった効果が出ているにも関わらず、皮膚刺激症状のために継続出来なかった例は数多い。 当然メーカーは早くから事態を把握しており、基材を工夫して皮膚刺激症状を軽減した新たな製剤を昨年秋頃に発売したのだが、これが残念なことに患者さん達に不評なのである。 「旧型のパッチと比べて、剥がれやすくなってしまった」という声が最も多い。それでも掻痒感が軽減されていたらまだいいのだが、残念ながら掻痒感が軽減されたという声をほとんど聞かないのである。 これでは、何のための改良品なのか分からない。 「前のタイプのパッチに戻

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    jflkg4u 2020/02/25
  • 【症例報告】貧血治療を優先したアルツハイマー型認知症の女性。今後の課題は水頭症への介入。 - 鹿児島認知症ブログ

    娘さんと地域包括支援センタースタッフに伴われて当院を受診された70代後半の女性Aさんは、会話が取り繕いに満ち見るからにアルツハイマー的であった。 顔色不良も気になったので採血をしたところ、重度の貧血が判明したため他院に入院を依頼した。幸いガンなど重篤な疾患はなく、輸血と鉄剤内服で貧血は改善した。 お会いして1年が経過したが、初診時よりも認知機能は向上している。ただし、頭部画像および臨床症状に水頭症らしさが加わりつつある。 この1年間に行われた治療は貧血に対してのみで、抗認知症薬やサプリメントなどは使用していない。デイサービスも使えていない。定期的にお会いしているが、言動は取り繕いが多くアルツハイマー的という印象も相変わらずである。 娘さんは初めのうちこそ「早く抗認知症薬を飲ませたい」という焦りが強く見受けられたが、現在は「薬なしでも、今ぐらいならまあいいのかな・・・」と冷静になっている。

    【症例報告】貧血治療を優先したアルツハイマー型認知症の女性。今後の課題は水頭症への介入。 - 鹿児島認知症ブログ
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    jflkg4u 2020/02/17
  • 聴覚情報処理障害(APD)について。 - 鹿児島認知症ブログ

    時々だが、若い患者さんからもの忘れの相談を受ける。 今回は、 20代男性のAさんの話。赤文字強調部分に注目して読んで欲しい。 20代男性 もの忘れの相談 (スタッフ記載) 人よりもの忘れの相談の電話あり。他院を受診するも、医者の説明が良くわからず困っているのだと。 電話で感じる印象は 言葉が出てくるのに時間がかかる うまく考えをまとめられない といった点。 初診時 (既往歴) 特記事項なし (現病歴) 一人で来院。仕事は福祉関係。 頼まれ事を忘れたり、仕事で集中力が持続せず困っている。人前では緊張しやすく上手くしゃべれない。診察中には特に吃音は目立たない。 近医で相談したところ安定剤が処方されるも効果の実感はなし。他院に紹介されるも医者の説明が良くわからなかった。 (診察所見) HDS-R:30 遅延再生:6 立方体模写:可 時計描画テスト:可 IADL:5 改訂クリクトン尺度:ー Za

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    jflkg4u 2020/02/15
  • 「インフルエンザではない、という診断書を貰って来て下さい」とデイサービス事業所から言われた利用者さん。 - 鹿児島認知症ブログ

    当院通院中のAさんに起きた話。 ある日の朝のこと。デイサービスに行ったAさんは検温で37.2度の熱が確認された。 咳や咽頭痛、鼻汁などの感冒症状が何もなかったにも関わらず、Aさんは家に帰るようデイサービスから言われ、Aさんの家族が迎えに来させられた。 Aさんが通うデイサービスは、利用者が熱発したら休まなくてはならず、熱発の翌日に熱が下がっていても休まないといけない決まりがあるらしい。 ちなみに熱発の規準は37度で、感冒症状の有無は問わないとのことだった。自律神経調整機能の衰えた高齢者や認知症患者では、感染を伴わない熱発など普通にあることなのだが、そのあたりの判断はどうしているのか気になった。 翌日、37度未満に熱が下がったAさんがデイサービスに行こうとすると、スタッフから 「昨日熱が出ているので、今日は解熱していてもダメです。決まりです。」 と言われ、更に、 「病院で検査を受けて、インフル

    「インフルエンザではない、という診断書を貰って来て下さい」とデイサービス事業所から言われた利用者さん。 - 鹿児島認知症ブログ
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    jflkg4u 2020/02/03
  • 認知症初期集中支援チームの在り方について。 - 鹿児島認知症ブログ

    「今年度もまた、よろしくお願いします。」 依頼があって引き受けた認知症初期集中支援チームのチーム医となって4年近く経つが、継続の意思確認がないまま、自動的に更新され続けてきた。 www.ninchi-shou.com 認知症初期集中支援チームとは、厚生労働省が策定した「オレンジプラン」という認知症施策推進5カ年計画の中に盛り込まれた施策の一つである。 認知症になっても人の意思が尊重され、できる限り住み慣れた地域のよい環境で暮らし続けられる ために、認知症の人やその家族に早期に関わる「認知症初期集中支援チーム」を配置し、早期診断・ 早期対応に向けた支援体制を構築することを目的とする。(厚生労働省HPより引用) 自分の他にも16名のチーム医がいるようだが、チーム医同士の連携はなく、従ってお互いの活動実態は分からない。 ただ、頻繁に当院にケースを持ち込むチーム員(地域包括支援センターの保健師、

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    jflkg4u 2020/01/21
  • 爆音とタバコと難聴。 - 鹿児島認知症ブログ

    なんとなく昔の椎名林檎の曲のような今回のタイトルだが、難聴についての自分語りである。 耳鼻科で受けた「感音性難聴」の診断 7年ほど前に、両耳で「キーン」と高い音が鳴っていることに気づいた。 この耳鳴は、初めて感じてから今日までの間、起きている間はほぼ途切れなく鳴り続け、このブログを書いている今も鳴っている。 そのうち、女性や子どもの高い声が聞き取りにくくなっていることに気づいたが、仕事や生活にはさほど支障がなかったので放っておいた。 自院開業前に耳鼻科に行き検査を受けたのが4年近く前で、診断は「感音性難聴」だった。*1 これは、内耳から脳までのどこかでトラブルがあるということだが、脳については事前に自分で頭部MRIをチェックし問題がないことを確認済みだったので、つまりは内耳にトラブルが起きているということだった。 もう少し詳しく言うと、内耳(蝸牛)に存在する音を脳に送るために必要な「有毛細

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    jflkg4u 2020/01/10
  • 【症例報告】抗認知症薬ドネペジルによる発汗過多と血圧低下。 - 鹿児島認知症ブログ

    今日も今日とてドネペジルの減量に励んでいるが、今回紹介するのは、過量のドネペジルで易怒性亢進・発汗過多・血圧低下を来していた80代後半の女性。 コリンエステラーゼ阻害剤(ドネペジル・リバスチグミン・ガランタミン)の過量投与による易怒性亢進や消化器症状は有名だが、発汗過多や血圧低下、また徐脈や呼吸抑制といった致命的な副作用は、どれほど気づかれていることか。 易怒性亢進の影に隠れて見逃されていることは、実はかなりあるのかもしれない。 80代後半女性 アルツハイマー型認知症 初診時 (現病歴) 2年前からもの忘れが気になり〇〇病院を受診。ATDの診断でドネペジル3mgが開始となったが、改善なく10mgまで増量された。 最近はちょっとしたことで夫婦げんかになる。同伴したご主人は90歳を越えているが、お元気でしっかりしている。 診察なしで1年間同じ処方が続いたことに不信感を頂いた家族がもの忘れの進行

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    jflkg4u 2019/12/02
  • 課題の分離とポリファーマシー。 - 鹿児島認知症ブログ

    今回紹介するのは、かかりつけ医に何かを相談したらその度に薬が増えていくという悪循環に陥り、気づけば10種類の薬を服用するようになっていた80代の女性である。 薬が増えるに従って体調は悪化し訴えが増えるため、見かねた息子さんが転医希望で連れてきたという経緯だった。 80代女性 他剤併用で具合の悪くなった方 初診時 独居。 30年来降圧薬内服中だが、1年前から上昇傾向。同時期に家族を喪っており、そのことが影響したのではないかと息子さんは考えている。 C型肝炎でインターフェロン治療歴あり。副作用で脱落するも、新薬が効いて「治った」と言われた。これが3年前。 その後、かかりつけ医に何か相談したら薬が増えるという悪循環を心配した息子さんが転医希望で連れて来られた。認知機能には問題なし。 頭部CTは特記所見なし。バイアスピリンが処方されているが、根拠は?脳梗塞痕はなく、狭心症や心筋梗塞の既往もなく、血

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    jflkg4u 2019/11/11
  • 時間泥棒。 - 鹿児島認知症ブログ

    当院通院中だった90歳のAさん。 あるとき転倒してB病院に入院となった。幸いにも治療経過は良好で、担当のC医師が退院前の病状説明で 「認知症だから、今後は独り暮らしは難しいでしょうね」 と家族に話したところ、家族から 「今まで認知症とは診断されていませんが・・・」 と言われた。 認知症ではないと判断する根拠 C医師は、当院に電話をかけてきた。 医者同士が直接電話でやり取りをする時、それはくも膜下出血や脳梗塞疑いの患者を緊急搬送依頼する時など、緊急性の高い場合に限られる。 C医師の電話の要件は、 「Aさんを認知症ではないと判断した根拠を今すぐ知りたいので、院長に代わって欲しい」 だった。 まじすか(゚o゚) よほどヒマだったのだろうが、自分がヒマだからといって相手もヒマとは限りませんよ、C先生。ちなみに自分は、C先生との面識は一切ない。 当然、受付は 「診療中ですので・・・」 と断るも中々納

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    jflkg4u 2019/11/04
  • 一度治験に失敗したアデュカヌマブが復活する? - 鹿児島認知症ブログ

    2019年3月に治験中止が発表され、エーザイの株価を急落させた抗認知症薬アデュカヌマブ。 アミロイド仮説失敗の最終通告かと思っていたが、ここにきて復活の話が出てきた。 www.carenet.com バイオジェンとエーザイは2019年10月22日、早期アルツハイマー病(AD)患者に対する第III相試験において無益性解析に基づき中止となったaducanumabについて、中止後に新たに利用可能となったデータを追加し解析した結果から、米国品医薬品局(FDA)との協議に基づいて、2020年に承認申請を予定していることを発表した。aducanumabが承認された場合、早期アルツハイマー病の臨床症状悪化を抑制する最初の治療薬となるとともに、アミロイドベータ(Aβ)の除去が臨床上のベネフィットをもたらすことを実証する世界初の薬剤となるという。 (中略) 両試験において報告された最も一般的な有害事象は、

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    jflkg4u 2019/10/28
  • 共感疲れと、共感できない疲れ。 - 鹿児島認知症ブログ

    対人援助職が患者や家族に寄り添おうとした時に、必要となるのが共感的態度である。 同じ状況を自分が直接経験していなくても、辛い事態に打ちひしがれている患者や家族を前に自分も辛い気持ちを感じながら、 「大変ですよね、お察し申し上げます」 と寄り添うのが共感。 「私も経験しましたから、お気持ち分かります」は同情。 共感するにはそれなりの経験と技術が必要だが、同情に技術は必要ないため素人でも出来る。 共感的態度と同情的態度。プロの対人援助職に望まれるのは勿論、共感的態度である。 常に共感的態度で患者や家族に寄り添いたいと考えてはいるが、そうはいっても我も人の子。 認知症の親の拙い行動を人の前であけすけに非難しながら、自分の置かれた状況の辛さのみを声高に主張する娘や息子に共感することは苦行に感じる。 苦行に感じるということはつまり、共感できていないということのだろう。 「この苦行を続けることで、自

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    jflkg4u 2019/10/14
  • 稀にではあるが、歩いて来院するくも膜下出血の人がいる。 - 鹿児島認知症ブログ

    脳動脈瘤が破裂して発症する「くも膜下出血」という病気がある。 破裂した瞬間、「人生最悪の痛み」と表現されるほどの激しい頭痛に襲われ身動きが取れなくなるため、ほとんどの患者さんは救急車で病院に運ばれる。 だが、ごく稀に外来に歩いてこられるくも膜下出血の方に遭遇する。 40代女性 くも膜下出血 Aさんは40代の女性である。 旅行先で突然経験したことのない衝撃を頭に感じた直後から両耳がぼわんと詰まったように感じ、同時に頭痛が始まった。 旅行先での予定はこなし、飛行機に乗って鹿児島に戻ってきた。一日様子を見ていたが頭痛の改善がなかったので、車を運転して来院した。 ちょうどその日は患者さんが多く、クリニックは混んでいた。 普段から、「見るからに具合の悪い人は、予約なしの飛び込みでも優先的にご案内するように」という方針は院内で徹底されている。 しかしAさんの見た目が辛そうではなかったことと、当院受付ス

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    jflkg4u 2019/10/07
  • 「くも膜下出血の術後に失明、執刀医と県を提訴」というニュース。 - 鹿児島認知症ブログ

    くも膜下出血と診断され徳島県立中央病院(徳島市)で手術を受けた県内の女性が、執刀医が注意義務を怠ったため両目を失明したなどとして、同病院を運営する県と執刀医に計約1億5600万円の損害賠償を求めて17日までに徳島地裁に提訴した。 訴状によると、女性は、くも膜下出血により、2015年12月、同病院で開頭手術を受けたが、直後から両目が見えなくなり、両目失明と診断された。嗅覚障害と味覚障害も認められた。手術の際、執刀医が女性の眼球を圧迫しないよう注意する義務を怠ったことで失明したとしている。 県病院局総務課は「訴状の内容を確認した上で適切に対応したい」としている。(MedPeerx朝日新聞2019年7月28日より。赤文字強調は筆者による。) 今回は、このニュースについて考えてみる。 どのような手術だったのか?(想像) まずは、「くも膜下出血」という病気について説明する。 脳は、頭蓋骨の中で「硬膜

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    jflkg4u 2019/09/16
  • 【症例報告】前医でサジを投げられた方に治療介入したところ、半年で家族から「大きく困ることはなくなった」と評価された症例。 - 鹿児島認知症ブログ

    「これほど酷い陽性症状の人は、うちでは対応出来ません。紹介状を書くので別の病院に行って下さい」 ベテラン脳神経内科医にサジを投げられ途方に暮れていたご家族。 どのように介入し、改善していったかの一部始終を紹介する。状態変化に寄与したと思われる薬剤は赤文字で強調しておくのでご参考頂けたら幸い。 80代後半女性 アルツハイマー型認知症+正常圧水頭症 初診時 (既往歴) 脳梗塞 (現病歴) 3年前頃から、テレビで報道されている殺人事件や気象異常が、さも自分に降りかかってくるかのようなことを言うようになった。 Aクリニックを受診し、「レビー小体型認知症+正常圧水頭症」の診断を受けた。タップテスト目的でB病院に入院となるも、強い陽性症状のため1週間の入院予定のところを3日で退院させられた。 その後、Aクリニックを人が怖がり行かなくなったため、Cクリニックに転医。Cクリニックの紹介で再度タップテスト

    【症例報告】前医でサジを投げられた方に治療介入したところ、半年で家族から「大きく困ることはなくなった」と評価された症例。 - 鹿児島認知症ブログ
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    jflkg4u 2019/09/09
  • 当院の増患対策について。 - 鹿児島認知症ブログ

    患者さんが増えることは、経営者としては喜ぶべきことである。それは疑いない。 今回のブログは、当院の増患対策について。 結論を先に言っておくと極めてシンプルな対策であり、前回記事の流れに沿った内容とも言える。 開業して3年半が経過したが、丸一日診察して多いときで70人前後、半日の日は多くて40人前後、平均して55人/日前後の患者を診ている。認知症の新患は平均して月に35人ほどである。 医者は自分一人で、かつ 「こんにちは、お変わりはありませんでしたね?では、いつものお薬を出しておきます。」 という3分診療とは無縁の外来のため、今の診療スタイルのままだと恐らく一日平均60人あたりで限界を迎えるのではないかと思う。 認知症外来は基的に予約制だが、切迫した事情があって飛び込んできた方達を無下に返すことは出来ない。*1 飛び込み頭痛の新患5連続に飛び込み認知症が重なったら泣きたくなるが、「頭が痛い

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    jflkg4u 2019/09/02
  • もって他山の石とすべし。 - 鹿児島認知症ブログ

    60代の女性、Aさんの話。 Aさんは5年ほど前から抑うつ傾向が、3年前から歩行困難が出現した。 手の震えを自覚するようになった2年前に、B病院の脳神経内科を受診するも特に診断は告げられなかった。 その後も歩行困難や腰痛・背中の曲がりが改善することなく進行していったため、昨年C病院の脳神経内科を受診した。 DAT-scanという検査が行われた結果、D医師が下した診断は 「パーキンソン症候群」 だった。 診断がパーキンソン症候群のまま、パーキンソン病の薬が増えていく パーキンソン症候群とは、 脳血管障害や大脳皮質基底核変性症などパーキンソン以外の病気 抗精神病薬などの薬物の影響 加齢の影響 などによって、表情の乏しさや手の震え、小刻み歩行などのパーキンソン的症状を認める状態のことを指す。簡単に言うと、「パーキンソンっぽい症状があるけれども、パーキンソン病ではない状態」のことである。 ちなみにパ

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    jflkg4u 2019/08/26
  • 【症例報告】日中100回以上トイレに行く高齢男性。 - 鹿児島認知症ブログ

    他者から見て目的があるようには見えない、しかし延々と繰り返される行動のことを「常同行動(常同運動症)」という。 認知機能が衰えると常同行動が目立ってくる。ピック病(≒前頭側頭型認知症)の常同行動は有名だが、アルツハイマーでも他の認知症でも常同行動は見られるし、自閉症でも頻度多く見られる。 ある認知症患者さんのご家族は、 「アルツハイマーの母は、デイサービスから戻るとトランプを並べては崩し、並べては崩し、を延々と繰り返します。その様子を見ているだけで、こっちがどうにかなりそうです・・・」 と言っていた。 誰かの常同行動を見ているうちに自分自身が不安に駆られたら、相手の常同行動が危険なものでなければ、その場を離れたらよい。 夫婦げんかの度に、庭で無心に草をむしり続ける女性 対人関係でストレスを感じると、爪をかみ続ける男性 試験や授業の最中にペンを回し続ける学生 自分では「ただの癖」と思っている

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    jflkg4u 2019/08/19
  • 無事に運転免許を自主返納した80代男性。 - 鹿児島認知症ブログ

    高齢者の運転事故のニュースを目にする度、 「自分の患者さん達は大丈夫だろうか?」 と思わずにはいられない。 いきなり運転免許自主返納を促しても、まず聞き入れては貰えない。良好な医者患者関係が前提として必要なのは言うまでもないが、それでも上手くいかないことの方が多い。 www.ninchi-shou.com 嫌がられないように気を遣いながら、気になる程度に怖い言い方もしながら、自主返納を勧め続ける日々である。 80代男性 軽度認知障害 初診時 (現病歴) 奥さんから見て、最近モノをなくしたり言った事を忘れるなどが気になるらしい。また、運転免許をいつまで継続するつもりなのかも気になると。人は乗る気満々と。 元々病院嫌いでプライドが高いと。「健康診断」と奥さんが説得して、今日は連れてきたようだ。 (診察所見) HDS-R:20 遅延再生:3 立方体模写:可 時計描画テスト:可 IADL:5 改

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    jflkg4u 2019/07/29