(約2300文字) 小説や漫画を読む人には次の2通りがある。 同じ作品を何度も何度も読むのが好きな人と、同じ作品は極力読み返さず新しい作品を発掘するのが好きな人だ。 私は後者だ。いや、後者だった。というのも最近は、昔読んだ漫画を読み返しても面白いと思えるようになったからだ。 子供の頃は「派手」な漫画が好きだった。大ヒットのセオリーに則った、非凡な能力を持つ魅力的な主人公、すごいライバルたち、息もつかせぬ展開… 漫画を読む手が止まらず夢中になって何冊もぶっ続けで読みふけった。 でも、悲しいかな。この手の「派手」な漫画は、いちど読んでしまうと繰り返し読む気にはなれないのだった。どんなにハラハラした展開も、2度目には「この後、生き返るんだよな…」「この後アレが起こって勝つんだよな…」と知っているから、1度目のドキドキや感動を超えることがない。よってこの手の面白い漫画を読んだときには、「これは10