福島原子力災害での放射線被ばくによる健康影響について 平成 23 年 3 月 25 日 日本疫学会理事会 注:今後の状況の変化により、本声明文も更新される予定です 1.はじめに 東北・関東大震災で被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。 報道されておりますように、現在、福島第一原子力発電所及び福島第二原子力発電所につ いて、原子力災害対策特別措置法第 15 条に基づく原子力緊急事態宣言が発令されており、周 辺地域への放射性物質の飛散による影響が懸念されております。放射線物質による被ばくが考 えられる地域では、被ばく線量を少なくするために避難や屋内退避の指示がでています。 私たちは放射線への人体影響を評価するための重要な手段である疫学の専門家として、国連 の原子放射線の影響に関する科学委員会(以下、国連科学委員会)の報告書などを引用しなが ら放射線の健康影響に関する知見をご紹介する