実際のところ、自衛隊の武器は、どこを向いているのだろうか。かつての「仮想敵国」はソ連であり、現在のそれは北朝鮮や中国なのであろうけれど、これらの矛先というのはまさにヴァーチャルな対象に思えるのであって、「外部の敵に備える自衛隊」という説明を全面的に真に受ける気にはなれない。そもそも自衛隊はそう遠くないむかし「警察予備隊」や「保安隊」と呼ばれていたのだ。これが「自衛隊」と改称された経緯についてはよく知らないけれど、すくなくとも始めこの「軍隊」が「外敵」ではなく「内」なる不穏分子との戦闘のために創設されたという事実は明白であろう。 先日来あきらかになったとおりミャンマー軍がビルマ国民を攻撃するための軍隊であったように、自衛隊も――全面的に言えることなのか、部分的にしか言えないことなのか判断するのは難しいけれど――日本国民との戦闘に備えた治安部隊としての一面を持つことは、否定できないだろう。 と