→紀伊國屋書店で購入 著者の石川幸憲氏は在米のジャーナリストだがIT系のライターではない上に、本書は今年の1月という不運な時期に出ていて iPadは最初と最後に「噂」として言及されているにすぎない。表題に Kindle をうたっているものの、Kindleに多大な影響をあたえたソニーのLIBRIéにふれておらず、記述の浅さは否めない。Kindleについて知りたかったら西田宗千佳氏の『iPad vs. キンドル』を読んだ方がいい。 では読む価値がないかといえば、そんなことはない。今回、電子書籍関係の本をまとめて読んだが、一番教えられるところが多かったのは本書だった。 まだ海のものとも山のものともわからない電子書籍が騒がれるのは日本の場合は出版危機があるからだが、アメリカの場合は新聞危機だ。日本の新聞社も相当危ないが、トリビューンなど長い歴史を誇る名門新聞社があいついで倒産し、2009年だけで1