日本の経済が停滞し、いわゆる「失われた10年」は「失われた20年」へ、そして25年になろうとしている。 1991年に始まったこの不況は不動産バブルの崩壊が原因だと言われるが、私は89年4月から導入された3%消費税の影響の方が大きいとみている。80年代後半には約10%前後だったGDPの前年比成長率は、90年に8%、91年に6%、93年には1%へと減速している。 1997年に消費税が5%になると、マイナス成長の年も出始めた。所得が低い人ほど税負担が増える逆進性の消費税が導入されたために、国内消費の大部分を担う中流層、低所得層の税負担が増え、消費が停滞したためである。同時に政府は、富裕層のために所得税と相続税を減税、また大企業の法人税も減税したことで、消費税増税にもかかわらず国と地方の借金は増え続け、約1千兆円にも膨らんだ。 失われた時代が始まる前の日本は、世界でも有数の平等な社会だと言われてい