このユニークな靴を編むことは、すべてのロシア人にとって必須のスキルだった。それらはまた、悪霊、邪悪な力を避けたり、ある住居から別の住居へ家霊(ドモヴォイ)をいっしょに“引っ越し”させたりするのにも使われた。その「ラーポチ」は、白樺の靱皮(じんぴ)から作られた伝統的なロシアの履物だ。 履き古されてガタが来たラーポチは、塀の上や家の中にぶら下げられていた。だから、誰か訪問者がやって来ると、まず最初に目にするモノだった。ラーポチは、未知の訪問者が家に持ち込みかねない邪悪な思念の働きを吸収し、阻止した。 また、古いラーポチは、家族が今の住居から別の家へ引っ越すときに、いっしょに家霊(ドモヴォイ)を連れて行くのにも使われた。 ラーポチは農民のふだんの靴だった。良いラーポチは3コペイカで買えたが、革製ブーツは最も安価なものでも5ルーブルした。ちなみに、ロシアは皮肉に「ラーポチの地」とも呼ばれていた。主
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