この前地方の在来線特急に乗ったら、今どき珍しい光景に出くわしました。 出発の数分前、私の乗った車両は、スーツ姿の男性ばかり7、8人とまばらで、皆すでに眠っているか、スマホ片手に俯いていました。そこへ突然、10人以上の男女(男性は2人のみ)が駆け込んできました。 「ここ、ここ、3号車!」 先頭集団が、振り返りざまに後続に叫んでいます。全員、おそらく70歳以上ではないかと思われる、正体不明の一団です。 最後の一人が乗り込んだとたん、発車ベル。 「早くすわってや!」 先頭集団の一人だった、大柄で、目立つイヤリングをした女性がリーダーらしく、指さしながら座席をテキパキ指示しています。私のすぐ前の席があっという間に一杯になりました。 「よーし!、じゃあ、次は弁当買って、これだな!」 頭がきれいに禿げて、灰色の眉毛の太い男の人が、座るとすぐに90度腰を曲げ、足元のリュックから、驚くべきことに一升瓶と紙