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ブックマーク / koheko.hatenadiary.org (28)

  • 「持っている人」は「持たざる人」の気持ちはなかなか理解できないと思う(追記あり) - 諏訪耕平の研究メモ

    「当事者性」みたいな視点から議論すると,今回の民主党や公明党のマニフェストを「ばらまき」であるとして批判する人とかは,「金持ってんだろうなー」とか思ってしまうわけです。実際に保育や教育において苦労している人はなかなかそういう発想になれない。 心のどこかで,「持っている人」がいるから,自分たちは「持たざる人」のままなんだという気持ちがあるのかもしれませんね。持っている人たちは「自分は努力したからこそ持ってるんだ」と思うかもしれませんが,じゃあ持たざる人たちが「自分は努力が足らなかったから持ってないんだ」と思えるかというとこれはなかなか難しくて,何せ「努力」ということで言うと,持たざる人ってある意味で努力せざるをえない環境にありますからね。 少なくとも,例えば現在30歳の「持たざる人」が,同世代の持っている人と自分を比較して,「自分はあの人に比べて努力が足らなかったから持っていないんだ」と確信

    「持っている人」は「持たざる人」の気持ちはなかなか理解できないと思う(追記あり) - 諏訪耕平の研究メモ
  • なぜ保育なのか - 諏訪耕平の研究メモ

    明日から一ヶ月間,保育園でバイトすることになりました。保育士のバイトです。朝8時半から午後5時まで。これに加えて新聞配達もやるのでかなりハードですが,楽しんで乗り切りたいと思います。 なぜ保育の問題をやるのか。折角なのでちょこっと書いておきます。最大の関心は,「子どもを生むかどうかはお金の問題なのか」ということにあると思います。 結局,僕が保育とか幼児教育に興味を持ち始めたのは,ある人に,「研究か幸せな家庭か,どちらかを選べ」と言われたことに端を発するのかなと思います。要するに,研究をやっていけば金銭的には確実に苦労するので,彼女や生まれてくる子どもに迷惑をかけたくなければ早い段階で研究者への道は諦めろ。どうしても研究をやっていきたいなら,幸せな家庭を持つことは諦めろ。そういう意味ですね。 これを言われたときに,そういう人生においても特に重要な問題を,お金の問題と考えてしまっていいのだろう

    なぜ保育なのか - 諏訪耕平の研究メモ
  • 三大欲をいかに削るかなんて議論を本当はしたいはずがない - 諏訪耕平の研究メモ

    ちょっと今月来月はスケジュール管理に失敗して異常に忙しいことになってしまった。どうしようみたいな話をしていたら,友人が「でも意外にできるもんだよ」と言ってきた。まあそうかもなと思いつつ,ふと考えたのは,「できないってどういう状態だろう?」ということ。 こういうとき,「物理的にできない」という状態はなかなか考えづらい。睡眠時間という最後の砦があるので,そこは削ろうと思えばかなり削れる。「1日4時間睡眠でも大丈夫!」みたいなもあるし。例えば休みなしで1日4時間睡眠で(ということは1日の労働時間が18時間ぐらいで)1ヶ月30日間働いたとしたら540時間になる。普通に働いていて労働時間が540時間を超えるということはまずないだろうから,そのへんを「限界」とみなすならばかなりの程度「意外にできる」ラインということになってしまう。 実際には,もちろん個人差はあるだろうが,労働時間が全時間の半分を超え

    三大欲をいかに削るかなんて議論を本当はしたいはずがない - 諏訪耕平の研究メモ
    jiangmin-alt
    jiangmin-alt 2009/07/25
    "次は「環境」が変わる番だ。教育機関にしても企業にしても,環境の側には問題はなく,悪いのは参加している個人と考えている人間がやたら多くて僕は辟易している"
  • 小中学校の先生との会話 - 諏訪耕平の研究メモ

    今日も元気に保育園のバイトに行ったら小学校と中学校の先生が研修にいらしていた。小学校は新任の先生で両方女性,中学校は中堅の先生で女性と男性。小学校のほうは幼保小連携の一貫ということらしく,これは明るいニュース。丸二日授業を休んで保育園でずっと保育士体験をするとのこと。こういう形であれば,「(幼保小連携は)忙しいから無理」ということもないだろう。 中学校は,地域交流の一環だそうで,保育園と老人ホームに行くのだそう。それはいいけど,だったら小学校に行けばいいのにと思い聞いてみたら,小学校との交流はほとんどないとのこと。というか仲が悪いと思うとのこと。さらに言えば学内でも先生同士仲が悪いので小中交流どころじゃないとのことで,かなり深刻な話だった。地域交流はやっても小中交流はやらない中学校。もう1人の中学校の先生も,「小中交流って当にないですよね」とのことで,いじめや不登校が中学校に入ると跳ね上

    小中学校の先生との会話 - 諏訪耕平の研究メモ
  • 「できない」人の指導が受けたい - 諏訪耕平の研究メモ

    例えばある集団を改善したいとして,そのとき意見を聞くべきなのはその集団に不満を持っている人だと思うわけですよ。そういう人はその集団の欠点がよく見えている。でもその集団にもっとも不満を感じている人って恐らくその集団から排除されてしまった人だったりするので,そういう人に意見を聞こうとしても,「もう私には関係のない話ですので」となりがち。実際僕は経験があります。結果,それほどその集団に不満を感じていない人たちの意見をもとにその集団を改善しようみたいな話になっていくので,改善は不完全燃焼で終わったりするのだろうと思うのですね。 最近僕の研究分野で「当事者性」についての議論をよく見かけます。一番ホットなのはアクションリサーチですよね。アクションリサーチって要するに現場を改善していくプロセス全体を研究としてみなそうみたいな取り組みで,これを推進しているwhiteheadという人はpractitione

    「できない」人の指導が受けたい - 諏訪耕平の研究メモ
  • 会社の目的とは何か - 諏訪耕平の研究メモ

    モーニングに連載されている「特上カバチ」という漫画が面白い。ご存知の方も多いだろうが,行政書士を扱った漫画である。この漫画の影響で行政書士試験への志願者は,従来3万人程度であったのが9万人程度に増え,難易度もまた上昇傾向にあるようだ。以前から行政書士を目指してきた人にとっては迷惑な話かもしれないが,この漫画を読む限り,この職を志す人が増えるということはいいことなのではないかと思う。以前から行政書士を目指していた人も,この職自体にスポットが当たることにはメリットがあるだろう。 この「特上カバチ」,ここ数回は幼い子どもを抱えながらも職を失いかけている派遣社員でシングルの父親の話。家賃を滞納し続けた結果部屋は無断で締め出され,熱を出した子どもを病院に連れて行っても治療代が払えない。給料の前借を会社に頼んでもすげもなく断られ,それでも頼み続けると,社長は渋々ポケットマネーから3000円を渡してきた

    会社の目的とは何か - 諏訪耕平の研究メモ
  • 人間のプライドは環境次第で肥大する - 諏訪耕平の研究メモ

  • 「社会の論理」を持ち込む人々 - 諏訪耕平の研究メモ

    「ゼミを何とか改善したい」みたいなことをここのところ結構主張してきて、それはそれなりに賛同を得られるようになってきていた。どの集団にもいいところと悪いところがあるだろうと思う。うちのゼミは、活発な議論が行われるところや、上から研究テーマを強制されることはないといったところは長所だと思うが、できの良くない発表をしてしまうと参加者(主に教授や先輩)から袋叩きにあうことがあって、それが原因でゼミと距離を置く学生が毎年数名出るといったところは短所だと思って、改善を志してきた。 勿論研究を目的に集まっている集団なので、研究ができない人間の居心地が悪いのは仕方ないことだと思うけど、一応教育機関なので、「駄目なやつは切り捨て」みたいなことが許されるのかどうかについては議論があっていいと思う。できないからこそできるようになりたくて院の門を叩くという場合もあるだろうし。最初からできる人間を欲しがるのは研究所

    「社会の論理」を持ち込む人々 - 諏訪耕平の研究メモ