『ザ・ノンフィクション』自分探しに奔走した30歳カップルの「幼さ」 誰しも親に対して、大なり小なり複雑な感情はあると思うが、ユリとコウジのそれは30歳、29歳という年齢からするとかなり根深いものだった。その感情を抱くまでに、親子で葛藤があったのだろうし、特に医者になることを親に強いられてきたコウジの場合、教育虐待の可能性もあったのでは、と想像できる。 一方で、現在のコウジは森川家に生活費も入れない居候だ。明希を引き取り、森川家が手狭になっているのだがら、「僕らはそろそろ出ていきますね。お世話になりました」くらいコウジには言ってほしかったが、煮え切らずぐずぐずしていて、出ていくのも愛に促され、ようやく、といった姿勢に見えた。 また、2人が森川家を出るとき、餞別に森川夫妻はお金を渡していたが、コウジとユリが用意していたのは「手紙」。生活費すら入れていなかったのだから、せめて菓子折りくらい用意す
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