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ブックマーク / ukmedia.exblog.jp (44)

  • 「イギリスにおける国家機密と報道の自由について」(最終回) メディア周辺のことを考えてみよう | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    昨年末、「マスコミ倫理懇談会」全国協議会の「メディアと法」研究会で、「イギリスにおける国家機密と報道の自由について」という題で講演をしました。以下は講演内容の記録に若干補足したものです。 質疑応答 質問=(新聞)報道を規制する委員会に関する法案も通っているのになかなかできず、進んでいないというお話でしたが、その中でガーディアンの事件(NSA報道)が発生した。ガーディアンの事件とこれと絡んでくるのではないかと思います。ガーディアンに対して世論の反発が非常に強く、他のメディアもガーディアンには賛成していないということになれば、すんなり委員会も実現しそうな感じがしますが、いかがでしょうか。また、今回の件でガーディアンの部数は減らなかったのでしょうか。 小林=今回のガーディアンの報道を通じて、規制機関の立ち上げがより容易になるかというと、そういう感じでもありません。 この新しい規制・監督組織は自主

    「イギリスにおける国家機密と報道の自由について」(最終回) メディア周辺のことを考えてみよう | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
  • 「イギリスにおける国家機密と報道の自由について」(3) メディア周辺のことを考えてみよう | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    (昨年末、「マスコミ倫理懇談会」全国協議会の「メディアと法」研究会で、「イギリスにおける国家機密と報道の自由について」という題で講演をしました。以下は講演内容の記録です。) 情報安全保障委員会の役割とは イギリスで秘密保全のための組織がどうなっているのかということですが、組織として一つ大きいものがあるわけではありません。 国防に関する機密情報については、議会の情報安全保障委員会があります。これは、94年の情報機関法第10条に基づいて設置されました。 このころから、やっとMI5やMI6の存在を政府が公式に認めるようになりまして、だんだんオープンになったのです。いまはMI5やMI6は自分たちのウェブサイトをもち、ウェブサイトから新しい人を雇うために募集をするほどになっております。 設置当初は政府の一部で、首相が議員の中から委員を任命したのですが、13年から法律が変わり議会の委員会になりました。

    「イギリスにおける国家機密と報道の自由について」(3) メディア周辺のことを考えてみよう | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
  • 「イギリスにおける国家機密と報道の自由について」(2) メディア周辺のことを考えてみよう | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    (昨年末、「マスコミ倫理懇談会」の全国協議会、第12期「メディアと法」研究会の第5回の場で、「イギリスにおける国家機密と報道の自由について」という題で講演をしました。以下は講演内容の記録です。) 内部告発をしたら、どうなる? 今回講演の依頼を受けた時、イギリスでは内部告発と告発者の保護についてどんな状況になっているかという質問を受けました。 内部告発に関しては列車事故や銀行のスキャンダルを背景として1998年に成立した公開開示法があります。 日内部告発の法律も、イギリスのこの法律を参考にしたというのを見たことがあったのですが、公務員も民間人も対象としています。誰でも内部告発ができるように、そういう法律をつくったのです。国外で起きた不正行為についても告発できます。内部告発を理由として雇用主から不利益を被らない権利を従業員が持つようにして、もし何か不利益を被った場合、雇用裁判所が救済をする

    「イギリスにおける国家機密と報道の自由について」(2) メディア周辺のことを考えてみよう | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
  • 「イギリスにおける国家機密と報道の自由について」(1) メディア周辺のことを考えてみよう | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    のメディアについての不平不満や批判をネット空間でよく目にする。 何かについての批判、不平不満が表明されることは普通だろうが、時として、いわゆる既存メディア(ここでは新聞や大手テレビ局)とネット空間とを必要以上に敵対させるような議論が目に付く。あたかも二者択一の問題であるかのような論の進め方がある。 つくづく、つまらないなあと思う。 ほかの国でも新興メディアとしてのネット空間、あるいはネットメディアを既存メディアと対比させることはあるが、いまや、大手メディアがネットメディア化しているので、切れ目がなくなっている。(先般も、米国でテレビの広告費をネットが抜いた・抜かないという報告が大きな注目を集めた。ほぼすべてのメディアがデジタルなのだから、広告もでかくなるのである。) 伝統的な大手メディアのジャーナリズムに対するネット上の怒りは、日の外から見ると、大きな期待感の裏返しのようでもある。エ

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  • 欧州メディアと国家機密をめぐる報道 -日本の秘密保護法成立によせて(下) | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    片方では鍵をかけ、片方で外に出っぱなし? 日で特定秘密保護法が成立したが、視点を日の外にも広げると、いわゆる「NSA報道」とのからみが気になる。 例えば、昨年6月から、元米中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン氏のリーク情報により、米英の諜報機関の機密情報が複数の報道機関によって暴露されている。米英はともに核兵器を所有し、世界の紛争地に軍隊を派遣している。そんな国の機密情報が漏れている。いわば、一方では鍵をかけておいて、一方では蛇口が開けっ放しになっている状態だ。果たして日でかけた鍵でどれだけ機密情報を閉じ込めて置けるのだろうか?そんな疑問を筆者は抱いた。 外国と比べてどちらがよいかは比較しにくい 特定秘密保護法の成立前、日の外に住む筆者に対し、この法案を批判して欲しいという主旨の原稿依頼を受けた。諸外国の例はこうで、良い面も悪い面もあるという指摘では済まされず、「反対であ

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  • 欧州メディアと国家機密をめぐる報道 -日本の秘密保護法成立によせて(上) | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    昨年12月6日、安全保障に関する機密情報を漏洩した人への罰則を強化する特定秘密保護法が参院で可決され、成立した。野党側が審議の延長を求め、国会の外では法案に反対する多くの人が抗議デモに参加する中の可決となった。 新年を迎えたが、秘密保護法についての議論が一部の国民の間では続いているように思う。 成立してしまった・・・ 私自身がもっとも衝撃を受けたのは、実際にこの法律が成立してしまったことだ。というのは、反対論がかなり強かったように認識しているからだ。 国民の大部分が関心を持っているような話題ではなかったかもしれないし、そういう意味では反対の声を上げた人は数的に言えば少なかったかもしれない。 しかし、抗議デモも含め、強い反対論が知識陣の間に出ている中での成立には割り切れないものを感じた。「今回は見送る」という選択肢はなかったのか。 それと、成立したこと以上に衝撃だったのは、最後の参院での投票

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  • 英紙の情報収集暴露に圧力 -権力と報道機関との関係はどうなる? | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    米英の諜報機関による大規模な個人情報の収集実態を次々と報道してきた英ガーディアン紙に対し、英政府が報道の元となる資料の破棄を命じたり、記事の執筆者のパートナーを拘束して所持品を没収する事態が発生した。報道の自由が定着した英国で、政府がここまで直接的に報道機関の手足を縛る動きに出るのは異例中の異例だ。 国家権力とメディア報道について、「新聞協会報」(9月17日号)に寄稿した。以下はそれに若干付け足したものである。事件の流れについて以前にほかの媒体でも書いたが、今回は英国のほかの新聞の反応や、国家権力とメディアとの関係について書いてみた。 ー資料破棄や拘束 6月上旬から、ガーディアン紙は、元中央情報局(CIA)職員エドワード・スノーデン氏が提供した内部資料を元に、米国家安全保障局(NSA)や英国の通信傍受機関、政府通信部(GCHQ)が大規模な個人情報の収集活動を行っていることを報道してきた。

    英紙の情報収集暴露に圧力 -権力と報道機関との関係はどうなる? | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
    jingi469
    jingi469 2013/10/19
  • 英日曜紙「オブザーバー」の編集室をたずねて見た -「若者で紙の新聞を読む人は少ない」 | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    今回は、英日曜紙オブザーバー編集室の見学記である。 ーモダンなビル オブザーバーは前回紹介したサンデー・タイムズのようにいろいろなセクション(付録、雑誌など)が紙につ く。いずれもカラフルでレイアウトに凝っている。サンデー・タイムズよりももっとリベラルで、社会正義のための企画を出すことが多いように思う。 オブザーバーの編集室は日刊紙のガーディアンと同じビルにある。とてもモダンなビルで、美術館と見間違えるほどだ。 編集室のレイアウトはサンデー・タイムズと非常によく似ている。違いは、カラフルな待合室、ミーティング用のソファーがあちこちに置かれているところだ。 案内は午前10時過ぎに始まったので、ちょうど、ガーディアンの編集会議が進行中だった。会議室の1つには、長い黄色のソファーがいく列にも並んでいる。一方のソファーにはガーディアンのアラン・ラスブリジャー編集長が座り、編集部員たちが向かい合う

    英日曜紙「オブザーバー」の編集室をたずねて見た -「若者で紙の新聞を読む人は少ない」 | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
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    jingi469 2013/10/19
  • 日曜紙「サンデー・タイムズ」編集室をたずねて見た -家族で読んでもらうための工夫 | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    (ニュースUK社が発行する、サン紙とタイムズ紙) 今月中旬、英日曜紙サンデー・タイムズと同じく日曜紙のオブザーバーの編集室を知人とともに訪れる機会があった。 短時間の訪問だったが、生の空気を吸って見えてきたことがいろいろあった。ここで、概要を紹介してみたい。 その前に、「日曜紙」の意味を簡単に説明してみよう。 英国の新聞は発行日の違いから、月曜から土曜まで発行される日刊紙(平日版)と、日曜日にのみ発行される日曜紙とに分かれる。キリスト教の教えの影響で日曜は長年「特別な日」と考えられ、両紙はそれぞれ別個に発展してきた。発行元は同じ場合でも、日刊紙と平日紙ではそれぞれ編集長や編集スタッフが別になる。 4大日刊高級紙デーリー・テレグラフ、タイムズ、ガーディアン、インディペンデントの系列日曜紙は、それぞれサンデー・テレグラフ、サンデー・タイムズ、オブザーバー、インディペンデント・オン・サンデーとな

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    jingi469 2013/10/19
    『英国の高級紙はすべて原則、全頁がカラーだ』
  • 欧州新聞社の生き残り策 ―ネット広告会社の買収に活路 (下) | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    (シブステッド社のウェブサイト) 今回はノルウェーとオーストリアのメディア企業の取り組みを紹介する。 ーノルウェーの新聞業界とシブステッド社 ノルウェーは人口約480万人を擁し、220-230の新聞が発行されている。 メディア企業が会員となるノルウェー・メディアビジネス協会によると、人口の81%が新聞を読み、49%が オンラインで閲覧している。62%が一紙以上の有料購読者だ。ドイツ同様、幅広い層が新聞を購読している国と言える。 新聞の総発行部数は220万部ほどで、12年は前年比3・8%の減少となった。 最大の部数を誇るのがアフテンポステン(朝刊紙、約22万部)、これにビージー(VG=Verdes Gang=ヴェルデス・ガング、約18万部)、アフテン(アフテンポステンの夕刊版、約9万6000部)、ダーグブラデット紙(約8万8000部)が続く。 メディア大手シブステッド社は1839年、クリスチ

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    jingi469 2013/10/19
  • 欧州新聞社の生き残り策  ―ネット広告会社の買収に活路(上) | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    先日、欧州の新聞社の経営をネット広告という観点から、レポートにまとめてみた。以下は「日経広告研究所報270号(2013年8月号)」に掲載されたレポート記事に若干補足したものである。 *** ーはじめに 多くの人々がネット上でニュースを読むようになった。新聞各社は読者と広告主をいかにひきつけるかに知恵を絞っているが、デジタル収入が購読料や広告料といった紙媒体の発行に伴う収入を補うほどには成長していないのが実情で、欧米諸国の新聞社は苦しい戦いを強いられている。 その打開策として、従来無料だったウェブサイトの閲読に課金制(いわゆる「有料の壁」)を導入するところが増えている。焦点は、新聞社の最大の売り物であるジャーナリズムコンテンツに、「ネット情報は無料」と解釈する利用者がおカネを払うかどうかである。 欧州大陸の新聞社のなかには、課金制を段階的に導入しつつも、オンラインのクラシファイド(class

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    jingi469 2013/10/19
  • 電子版でいかに収益をあげるか、情報収集の危うさとメディアの立ち位置 -世界新聞大会報告(下) | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    についてのトピックをコラージュした画面 ラ・プレスのサイトより) 題に入る前にー。 2020年の東京でのオリンピックの開催決定、おめでとうございます。 日では、原発や震災のことを考えて、「五輪開催どころではない」と考える方がたくさんいらっしゃると思います。おそらく、私も日に住んでいたら、そう思っていたでしょう。 しかし、2012年にロンドン五輪を観戦してみて、オリンピックは夢を持たせるという部分があることを実感しました。「フィール・グッド・ファクター」(心地よくさせる要素)が最大の貢献と英国でよく言われたものです。ポジティブな気持ちが生まれる、これが大きいと。 個人的には、スポーツとお金が結びついていること、潤沢な資金を持つ大都市でなければ開催できなくなっていることなど、どうもぴんと来ない部分がありますーー純粋にスポーツを楽しむことはできないのだろうか、と。もっと社会的によい効果

    電子版でいかに収益をあげるか、情報収集の危うさとメディアの立ち位置 -世界新聞大会報告(下) | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
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    jingi469 2013/10/19
  • 世界では新聞を25億人が読む、パキスタン、メキシコでは記者は命がけ -世界新聞大会報告(上) | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    (自由のための金のペン賞 のタン・トゥ・アウン氏(右) WAN-IFRA提供) 月刊誌「Journalism」(8月号)に、6月に開催された世界新聞大会のレポートを書いた。最新号(9月号)が出たので、これに補足したものを2回に分けて出してみたい。 世界新聞大会については、読売新聞オンラインの「欧州メディアウオッチ」でも何回か書いたが、入りきれない部分がたくさんあった。 *** 世界新聞・ニュース発行者協会(WAN-IFRA)主催の「第65回世界新聞大会、第20回世界編集者フォーラム、第23回世界広告フォーラム」は、6月2日から4日間、バンコクで開かれた。 「革新、ひらめき、双方向」をテーマにうたった今年のイベントには、66カ国から約1500人のメディア幹部が出席し、90人のスピーカーが自社の取り組みを紹介した。 WAN-IFRAは、世界の新聞社の国際的な組織で、約1万8千の紙媒体、1万5千

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    jingi469 2013/10/19
  • 少年少女が利用する質問交流サイト「Ask.fm」で自殺事件  -バッシングで広告主撤退も | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    「あなたの好きな動物は何?」など、単純な質問に答える仕組みの交流サイト「Ask.fm」(アスク・エフエム)が、欧州を中心とした数カ国に住む10代の少年少女の間で、人気になっているという。 利用の手始めは、新たに名前、電子メールのアドレス、生年月日などを使って登録するか、フェイスブック、ツイッター、あるいは「VK」のアカウント(主としてロシア語圏で人気があるソーシャルメディア)を使って、プロフィールを作る。友人を誘って、質問を投げかけてもらう。ほかの利用者もさまざまな質問を投げかけることができる。フェイスブックとは違い、匿名でも利用可能だ。ウェブサイトでもモバイル機器のアプリとしても使えるようになっている。 このサービスの利用者の中で未成年者数人が、いじめを苦にして自殺したと推測される事件が相次いでいる。 今月2日、14歳のハンナ・スミスさんが、英イングランド中部レスタシャーのラターワースの

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    jingi469 2013/08/14
  • 誰がネット上の「スパイ」なのか? -米政府「プリズム」暴露事件に寄せて | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    内部告発者スノードン氏の記事をトップにした、英ガーディアン紙の6月10日号) 29歳の米国人エドワード・スノーデン氏が米政府による個人情報の収集の恐ろしさについて内部告発した事件を、英ガーディアンと米ワシントン・ポスト紙が先週から報じている。 ここ数日で、日語でも多数報じられるようになったが、「自分には関係のない話」、「どうせ米国(=他国)のこと」、「全体像がつかみにくい」と思われる方は、結構多いのではないだろうか。 私自身は結構危機感を感じている。各国政府や企業がネット上で私たちの情報を監視・収集していることは知識として知ってはいたが、具体的な監視プロジェクトの名前や実情が暴露されてみると、いささかショックだった。 この問題は、この文章を今読んでいるあなたや書いている私に直接関係のある話に思える。 例えば、米国企業のネットサービスを使っていない日人のネット利用者はかなり少ないだろう

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    jingi469 2013/06/13
  • 日揮とテロ事件 大手メディアは実名、ネットは匿名支持 両者の溝について考えた | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    毎日のように次から次へとニュースが発生するので、やや遠い事件のようにも思えるが、今年1月から3月ぐらいまで、アルジェリア人質事件で犠牲者の実名をいつどのように報道するかで大きな議論が起きた。 この件について、月刊冊子「メディア展望」4月号(新聞通信調査会発行)に思うところを書いた。以下はそれに若干補足したものである。 この問題については、電子雑誌「ケサラン・パサラン」14号に浅野健一同志社大学大学院教授が論考(アルジェリア犠牲者報道問題だけではない 日メディアの問題点 「実名報道」による「報道被害」を放置・容認してもよいのか?)を寄せている。教授の記事をご参照いただければ、より理解が深まるように思う。 なお、この問題については賛否両論の論点がひとしきり、出尽くしたと思う。私は賛成派と反対派の溝に注目した。長いので、強調したい部分は太字にした。 *** 日揮とテロ事件 大手メディアは実名、

    日揮とテロ事件 大手メディアは実名、ネットは匿名支持 両者の溝について考えた | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ
  • 欧州新聞界ラウンドアップ 「グーグルとの付き合い方」、「無料紙」、「デジタル課金」(下) | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    欧州無料紙業界で、国境を越えてビジネスを展開しているのが最大手メトロ・インターナショナルに加え、ノルウェーのシブステッド、スイスのタメディアだ。 スウェーデンの有力大衆紙「アフトンブラーデット」を所有するシブステッドは傘下に20 Min Holding AG社を置き、「20ミニッツ」のフランス版、スペイン版を発行している。 シブステッドの国際版無料紙部門の足を引っ張るのがユーロ危機で経済が大きな打撃を受けるスペインの「20 ミヌトス」(読者数210万人)だ。11年の営業収益が前年比で400万ユーロ減少した。逆にフランス版(読者数280万人)は収益を前年比で16%増加させている。 無料紙が新聞市場の30%を占めるスイスでは、13の日刊紙と20のニュースサイトを含む約40紙を発行するタメディアが有力だ。スイスの3つの公用語である独語、仏語、イタリア語で出す「20 Minuten」(ツヴァンツィ

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  • 欧州新聞界ラウンドアップ 「グーグルとの付き合い方」、「無料紙」、「デジタル課金」 (上) | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    読売新聞オンラインのデジタル面に、毎週火曜、欧州メディアのデジタル事情について書いている。関心のある方はご覧いただければ幸いである。 来週は、5月27日に発売される、「BIG DATA」(邦訳版「ビッグデータの正体 情報の産業革命が世界のすべてを変える」、講談社)の共著者の一人に、の内容とビッグデータの扱い方を聞いた話を出す予定でいる。 (1)「データ・ジャーナリズム」で未来を予言? (2)メディア・アウトソーシングの新たな波 (3)既存メディアへの五つの提言 (4)東欧発の人気サービス「ピアノメディア」とは? (5)データエディターとはどんな仕事?(上) *** 欧州新聞界の最近の傾向について、「グーグルとの付き合い方」、「無料紙」、「デジタル課金」をキーワードにして、隔月刊行の「JAFNA通信」(フリーペーパーの団体日生活情報紙協会=JAFNA=発行)など複数の媒体に寄稿した。以下

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  • ロシアの新興財閥(オリガルヒ)と英国 メモ | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    ロシアから英国に亡命してきた、富豪・新興財閥(オリガルヒ)の一人、ボリス・ベレゾフスキー氏が、23日、英南部アスコットの自宅で死亡していたことが分かった。24日昼現在、死因は明らかになっていない。 英国に亡命中だったロシア人の富豪ベレゾフスキー氏、死亡 ―巨額負債を抱えたことが苦に? プーチン政権の批判者としても知られたベレゾフスキー氏。自殺なのか、あるいは何者かに殺害されたのか、死因がはっきりするまではさまざまな憶測が飛びそうだ。 BBCのモスクワ特派員の報告によれば、多くの国民が社会体制の変化で困窮に苦しむ中、一握りの人々が巨額の富を得たのが新興財閥と見られており、ロシア内で死亡したベレゾフスキー氏への同情論はあまりないようだ。 ここで、いわゆる「新興財閥」について、簡単にメモって見たい。 オリガルヒとは、旧ソ連が社会主義政治・経済体制から資主義に移行する中でロシアの経済改革や国営企

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  • 金融トップの人材を英中銀に「さらわれた」カナダは、どんな評価を? | 小林恭子の英国メディア・ウオッチ

    カナダ中央銀行のマーク・カーニー総裁が、来年から英中銀総裁に就任することが、昨日、発表された。英中銀の318年の歴史の中で、外国人を総裁として迎えるのはこれが初となる。世界中からベストの人材を集める「英断」として、英国ではおおむね高く評価されたが、果たして、カーニー氏の自国カナダではどう受け止められたのだろうか? カナダの全国紙「グローブ・アンド・メール」(27日付)に掲載された、2つの記事に注目して見た。 1つはマイケル・ババド氏が書いた、「なぜ私がマーク・カーニーの出発に怒っているか」という記事だ。 http://www.theglobeandmail.com/report-on-business/top-business-stories/why-im-furious-over-mark-carneys-departure/article5723275/ 「普通、誰かが、より大きなそし

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