「少しくらい大げさでも、くさくてもいいから、若い人が手に取るような、人の生き死にの話を書かなくてはと思ったんです」。「遺品整理」という一見、特殊な職業に焦点を当てた自著『アントキノイノチ』(幻冬舎文庫)について、さだまさし(59)はそう話す。映画の撮影中には、東日本大震災が発生。被災地を訪れて、いままで以上に感じた「命の重み」について、穏やかな口調で語り始めた。 黒ずくめのハードな服装とはうらはらな、人なつっこい笑顔で登場した、さだ。インタビュー中の録音許可を求めると、身を乗り出し、録音機に口をつけて、「あーあー、どうぞ」。一気にその場の空気がなごんだ。 現在は、最新アルバム『SadaCity』の制作に続く、コンサートツアーの真っ最中だが、微塵も疲れを感じさせない。 そして、11月に公開される映画『アントキノイノチ』が、いまから話題を呼んでいる。榮倉奈々(23)、岡田将生(22)主演の青春