予算の規模より中身政府の「異次元の少子化対策」は2023年の正月冒頭に掲げられたものの、その具体的な中身に関しては1年間ずっと的外れなことばかりが提示されているという印象である。先ごろ、少子化対策としての「こども未来戦略」の財源を3.6兆円とする原案が発表されたそうだが、予算の規模の問題ではなく、中身の問題なのである。 私は、当連載の中でも「子育て支援と少子化対策とは別物である」ことを繰り返し述べてきた。子育て支援はそれはそれとしてやるべきことで否定はしないが、こと出生増を目指すという意味での少子化対策を考えるのであれば、打ち手の対象が違うのである。有体に言えば、「子育て支援をどんなに拡充しても、それは全体としての目に見える出生増の効果はない」のである。 なぜならば、出生が減少している根本的な原因は「産み控え」ではないからだ。一人当たりの母親が産む子どもの数は1980年代と比較しても全く減
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