民主が初の第1党に躍進し、自民と公明で過半数を割った東京都議選から一夜明けた13日、都庁は重苦しい雰囲気に包まれた。幹部の間では「自公に頼ってきた石原慎太郎知事の気力が持つのか」と去就を心配する声まで飛び交った。 知事は同日正午すぎ、報道陣に「都にとって大迷惑な結果だ。今の政府が自らつくった人心の離反だ。(告示の)2日前に公認された候補が通ったり、2週間前から選挙を始めた候補が、自民党のエースを破ったのは異常な状況」と述べた。 民主が訴えたのは新銀行東京からの撤退と築地市場の移転反対。局長級幹部は「築地移転は完全に凍結だろう」とみる。民主は現地での再整備を主張し対決姿勢が明確なだけに、移転計画の事業費を予算計上しても「否決される公算が大きい。知事はもう政権末期。登庁日も嫌気が差して減るのでは」。 ある幹部は「1年生議員の多い民主はいわばキッズ。成熟した議論ができるだろうか…」との懸念を示し