少し開発にかかわったことがあるものとして、SDGsに関して思うところを述べます。 まずはSDGsが制定されるまでの歴史から。 アジア金融危機、LTCM破綻、ロシア金融危機などいわゆる国際金融資本による危機が続発していた1990年代後半のことです。IMFや世界銀行は苦境に陥った国と人々を支援しようとしたのですが、型にはまったアドバイスは役に立たないどころか状況を悪化させてしまうこともありました。NPOが世界銀行を取り囲んでデモをするなど、世界中で、先進国中心の開発援助と国際金融機関に対する疑いが強まってきた時代です。 そういう時代背景を踏まえて、世界銀行やIMFが上から開発援助の方向を決めるのではなく、NPOや途上国の声をもっと取り入れ、共に追求できる目標を設定しようという考えから生まれたのが、2000年に国連総会で制定されたMDG(ミレニアム開発目標)です。いくつかのテーマがあるのですが、
日本人女性の9人に1人がかかるとされる「乳がん」。早期に発見すれば生存率が高いため、乳がん検診を受けることが大切です。ただ、現在推奨されている検査方法では、「高濃度乳房」というタイプの乳房の場合、がんを見落としてしまう場合もあることが指摘され、課題となってきました。 しかし、今、このタイプの乳房でもがんをきっちり見つけることができ、しかも検診時の痛みがないという画期的な乳がん検査装置の実用化が間近のところまできています。 開発の肝は複雑な計算式を駆使して「見えない物」を可視化するという技術。実は1人の日本人が数学上の“超難問”を解き明かしたことで実現にこぎつけました。この技術を使えば乳がんだけでなく、リチウム電池の発火原因となる内部の異常、さらにトンネル事故につながるコンクリート内部のひび割れなどの可視化も可能になるといいます。 数学なんて難しいだけで役に立たない…なんて思っている人も考え
「ストレスを受けることで放出されるノルアドレナリンがメラニン細胞に影響を与える」というマウスを使った研究結果が明らかにしているように、ストレスによって毛が白くなるというのは実際に起こり得る話です。今回科学者たちが行った新たな研究により、「白くなった髪の毛は元の色に戻る」ことが明らかになりました。 Quantitative mapping of human hair greying and reversal in relation to life stress | eLife https://elifesciences.org/articles/67437 It's true: Stress does turn hair gray (and it's reversible) https://medicalxpress.com/news/2021-06-true-stress-hair-gra
こんにちは、Exploratoryの白戸です。 Appleは新型コロナウイルスの対策支援として、Appleマップでの経路検索をもとにした移動傾向のデータを公開しています。ところが、残念ながらこのデータはそのままでは簡単に可視化できるようなフォーマットになっておらず、ちょっとした加工を行う必要があります。 しかし逆に、加工の仕方さえわかってしまえばそれぞれの都市や地域の移動データを可視化することで、恐怖を煽るばかりのマスコミからは見えてこない現状を理解することができるようになります。 今回はこのAppleの移動傾向データを簡単に可視化できるようにするための基本的な加工方法を、みなさんと共有させていただければと思います。 データはこちらからダウンロードすることができます。 以下は「モダンでシンプルなUIを使ってデータサイエンスができる」Exploratoryを使って、「日本で最も自粛している都
中国で「宿題アプリ」と呼ばれるAI(人工知能)を使った教育サービスが急拡大している。宿題などの設問をスマホで撮影すると、たちどころに解答や解説が得られ、場合によっては動画などでより詳しい解説を受けられるというものだが、単に宿題をラクするためのアプリとは考えない方がよい。 各社の時価総額はすでに巨額となっており、その資金力を生かして、世の中に存在するあらゆる設問をデータベース化している。現時点ではあくまで初等中等向けの教育サービスだが、この手法は学術論文などにも応用できる可能性があり、圧倒的な「知」の体系を作り上げる可能性も出てきている。 教育の概念をひっくり返す宿題アプリとして中国国内でもっとも使われているのが「作業幇」である。頻繁にアプリを利用するアクティブユーザー数は1億7000万人を突破しているが、中国における5~14歳の人口は約1億7000万人しかいない。このアプリは高校生も対象範
1.文科省・経産省・総務省が進めるGIGAスクール構想の「いま」だからこそ、30人学級が必要 12月の国会会期後の今、来年度予算編成に向けて財務省と各省庁の間での折衝が行われています。 教育予算についても、今が30人学級が実現するかどうかの天王山です。 30人学級不要論を唱える財務省試算の重大な欠陥―先生の声が聞こえない三密教室を放置?(12月4日Yahoo!記事)でも指摘したように、財務省は欠陥ある試算をもとに40人学級を維持しようとしている問題ある現状です。 しかし、物理的環境として40人学級を維持するメリットは何もありません。 また、コロナ禍の今だからこそ、30人学級が必要になっている現状を指摘しなければなりません。 この記事では今年度中にほぼ全ての小中学校で実現されるであろう児童生徒1人1台のPC・タブレット完全配備とそれによる学習方法の進化(GIGAスクール構想)が、教室の面積を
人文学の源流を訪ねて 前回私は、日本学術会議問題という時事的問題から、人文学叩きの問題、そして「役に立つ」学問と教育をめぐる問題を論じた。本連載で一貫して論じてきたところではあるが、そこで明らかになったのは、人文学批判、そして人文学を「役に立たない」学問にカテゴライズして葬り去ろうとする動きの文脈には、新自由主義の緊縮財政があり、また緊縮財政を背景とした大学内部での「政治」(人文学を担う旧教養課程が「狩り場」となったことなど)が存在したことだった。 学問が「役に立つ/役に立たない」こと、そして人文学が役に立たない学問の代表として扱われていることには、確かに現代の新自由主義特有の論理があるだろう。しかし、「役に立つ/立たない」という問題設定と人文学の位置づけは、まったく新しいものとは言えない。ほぼ近代の人文学の始まりから存在してきたのではないだろうか。 今回は、一旦現在の日本から離れて、「文
一昨日の4月28日に、著作権法35条の改正が施行されました。加えて今年度は、補償金を無償にする特例的な運用がなされるため、オンライン授業などの遠隔教育で著作物をたいへん扱いやすくなりました。そこで今日は、学校がオンライン教育を実施するうえで把握しておきたい著作権情報について紹介したいと思います。 一次情報と参考サイト 最初に、オンライン教育の著作権における一次情報と参考サイトを紹介しておきます。著作権法についての正確な情報を知りたい方は、これらをご覧ください。 一般社団法人授業目的公衆送信補償金等管理協会 SARTRAS改正著作権法第35条運用指針(令和2(2020)年度版)について(SARTRAS)令和2年度における授業目的公衆送信補償金の無償認可について(文化庁)著作権法の一部を改正する法律(平成30年法律第30号)について(文化庁)制度に関するQ&A(文化庁)大学などの遠隔授業等にお
役に立ってない中学受験勉強 中学受験はおよそ害悪だ。私がそう思う理由は単純だ。それが子どもたちの役に立っていないからだ。中学受験制度そのものは、それは何らかの役に立っているのかもしれない。少なくともそれを実施する私立中学校にとっては、メリットがあるはずだ。そうでなければやらないだろう(そのメリットも、後述するように怪しいものではあるけれど)。けれど、当事者のもう一方である子どもたちにとって、得られるものは「合格」以外のものはなにもない。そういうものだと言ってしまえばそれまでなのだが、じゃあ、合格競争のためだけに貴重な時間を無駄にすることはどうなのか、ということになる。私はそれを害悪だと思う。 なぜ、「子どもたちの役に立たない」というのか。それは、家庭教師としての経験からだ。私は中高一貫の私立中学・高校の生徒の指導にあたった経験が過去に何件もある。いずれも中学受験を無事に突破した生徒たちだ。
(前回記事↓) 「簡単に卒業論文が書ける研究テーマってなんだろう?」 それが研究室に入ったとき、僕がまず考えたことだった。 ほかの研究室に入った友達によると、卒論のテーマは先生が教えてくれるらしい。 「研究テーマの候補を先生がいくつか出してくれて、その中から自分にできそうなものを選んだ」と言っていた。 たぶん僕もそうなるだろう。 卒論を書いて無事に卒業するために、なるべく簡単にできるテーマを選ばないといけない。 そう思った。 でも僕の指導教官は、研究テーマを教えてはくれなかった。 研究テーマの間違った見つけ方 僕は運よく、卒業した先輩の「今後の課題」を見つけ、それを自分の研究テーマにしようとした。 そんな僕に、先生は言った。 「それは本当に君がやりたいことなの?」 僕が何も言えずに黙っていると、先生は書類の山の中から英語の記事をひっぱり出してきた。 「誰かの論文の、今後の課題を自分の研究テ
だてに「プログラミング教育の最前線」というタイトルになっていない。最前線はエキサイティングで身も蓋もなくてもの悲しいものだ。出てくる具体例、現場ならではのリアルなものが多くて面白い。情報処理学会の月刊誌だが、紙版もKindle版も1号ずつamazonで買えるのでオススメ。 ・プログラミング教育の流れから始まったコンピュータ的思考が、結局は「フローチャートをみんなで書く」ようなカリキュラムになり、先生がフローチャートの意味を理解できてないのでまともな指導ができず、「なんとなくプログラミング教育が必要だから」みたいなお題目のもと換骨奪胎していく ・実際に機材を購入する各地方自治体の教育委員会の中には、注文ルートがファックスと指定代理店しかなく、市価で2000円程度のmicro:bitが納品時に6000円になるところもある ・CoderDojo等の市井のプログラミング教室が広がり、小学生が親のた
《この記事は約 8 分で読めます(1分で600字計算)》 新型コロナウイルス感染拡大を受け、新学期からオンライン授業を行っている工学院大学附属中学校・高等学校。そこで働く司書教諭の有山裕美子氏は、生徒たちの自発的な動きに感心させられた。短期集中連載の、今回は後編。前編はこちら。中編はこちら。 改めて学校図書館を問い直す〈後編〉 改めて「情報」とは それでは、学校図書館で扱うべき「情報」とは何だろうか。IT用語辞典によれば情報とはインフォメーションであり、「物事の事情を人に伝えるもの。また、それを文字や図表、画像、音声、映像などを使って表現したもの」のことである。 当然のことながら学校で扱う「情報」は多岐にわたる。印刷メディアであれば、教科書、新聞・雑誌、図書等。視聴覚メディアであれば、写真やポスターなどの紙の媒体もあれば、CDやDVD、ブルーレイディスクなどを媒体とした音声教材や映像教材が
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当方は以前、教育機関向けのICT導入を支援するSEとして動いていました。GIGAスクール構想の実現に向けて全国の教育委員会や私立学校がインフラ・端末整備のために動いている(そしていろいろ困っている)現況を勘案して、そのへんのノウハウをせっかくなのでまとめて無償で公開してしまおうと思います。 通常であればこういう話はいわゆる「飯の種」でもあるのであまり堂々と公表する企業人は少ないのだと思いますが、今回は ・学校向けのICT環境整備についてきちんと取り組んだ経験がある企業の関係者は結構少なく、今回のように全国一斉に調達に向かって動く中では間違いなく技術者不足が起きると懸念していること ・当方は現在Z会に所属しており、オンライン英会話やCBTベースのアセスメント、AI技術を用いた教育用ソフトウェアなどを提供する立場にありますが、自社のものを使ってもらえるかどうかは別として、こうしたソフトウェアが
オリジナルはこちら https://www.microsoft.com/en-us/research/academic-program/write-great-research-paper/ http://research.microsoft.com/en-us/um/people/simonpj/papers/giving-a-talk/Writing%20a%20paper%20(seven%20suggestions).pptx 新しいバージョンはこちら https://www.slideshare.net/kdmsnr/how-to-write-a-great-research-paper-226669082
手のかかる子ほどかわいいとはよく言うが それはそれとしてクラスメイトや大人に暴言を吐いたり授業妨害するような子はムカつくし面倒臭いので 学校の先生にとって忘れ物もしないし指示をよく聞いてくれる真面目な子は本当に有りがたがられて重宝される 私もかつてはそういう子どもだったのでとにかくどの先生からも好かれて三者面談でも褒められまくっていた が、「周りが友達とのおしゃべりに夢中になっているのに一人じっと先生を注視して指示をよく聞いている」 「先生にアホみたいな質問をせず誰にも頼らず自分で解決する(人に質問することができない)」 「必要になりそうな物はすべて事前に準備して自分で持ってきて忘れ物もしない(道具が足りない・忘れた時に周りの人に助けを求めることができないので)」 というのは結局のところ夢中になれるような友情を育むことができないし協調性もないし報告連絡相談ができない人間ということであり 先
電通総研に立ち上がった「アクティブラーニング こんなのどうだろう研究所」。アクティブラーニングについて様々な角度から提案を行っていく予定です。このコラムでは、ラーニングのアクティブ化に活用できそうなメソッド、考え方、人物などを紹介していきます。 小学校の席。どういうレイアウトでしたか? みんなで黒板とその前に立つ先生に向かって座るのが一般的だと思っていた私は、8歳にしてその考えを裏切られることになる。イギリスの小学校で。 その後も、さらにいろんな国のいろんな座席システムに出合った。男女ペア席、一人席、5〜6人で一つのテーブルを囲む座り方、机を一つの円をつくるように並べてみんな向き合う座り方、複数の家具を教科ごとに使い分けるやり方…。それは、転校するたびにルールが変わるゲームのようで面白かった。 ロシアの小学校では男女がペアで一つの長めの机に座る。男子が左、女子が右。左利きがいる場合はペアで
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