耳を疑いたくなるような就任会見だった。 1月7日に健康問題で辞任した藤井裕久前財務相の後任に就いた菅直人副総理兼財務相。2010年度予算の編成において、民主党がマニフェスト(政権公約)でうたった無駄排除による財源捻出が瓦解したことを受け、軌道修正を図るかと思いきや、さにあらず。「この1年は埋蔵金を含め、207兆円の総予算(一般会計と特別会計の純計)を徹底的に洗い直す」「無駄な経費などの組み替えをやらないまま増税を考えると、結局無駄なものが残ってしまう」と、従前の主張を繰り返した。 10年度予算の国会決議の後、待ち受けるのは11年度予算の編成である。ここでは子ども手当の全額実施などマニフェストの目玉政策のためだけでも、数兆円の追加財源が必要。だが、新財源を準備すべき理由はほかにもある。11年度から公的年金の国庫負担でも新たに約2・5兆円の財源が必要となるのだ。 あの特会が狙われる? 0