17歳の高校生プロ棋士・藤井聡太七段の快進撃で、将棋が脚光を浴びている。7月9日の棋聖戦第3局で渡辺明棋聖(三冠)に勝てば、史上最年少のタイトル奪取となり、再び藤井フィーバーが起きるのは間違いない。そんな将棋界の人気ぶりについて、ジャーナリストの山田稔氏がレポートする。 * * * 藤井七段が絶好調だ。初のタイトル挑戦となった棋聖戦では、第1局、2局と渡辺棋聖に連勝し、タイトル奪取に王手をかけている。7月9日の対局に勝てば、タイトル獲得の史上最年少記録「18歳6か月」を更新することになる。 藤井七段は木村王位との王位戦第1局にも勝利しており、今年中に二冠の可能性まで出てきている。藤井七段は2016年10月、14歳2か月で四段に昇段しプロ入りした。これも史上最年少である。それから4年も経っていないのに、早くもトッププロ棋士に肩を並べようとしているのだから、スゴイの一言である。 レジェンド棋士
全国で5万5000店超の店舗数となり、頭打ち感が出始めているコンビニエンスストア。コロナ禍の今後はますます真価が問われそうな情勢だが、主要コンビニチェーンの中で唯一元気がないのがファミリーマートだ。その要因はどこにあるのか。ジャーナリストの有森隆氏がレポートする。 * * * ローソンと生活雑貨「無印良品」を展開する良品計画が提携し、6月17日から「久が原一丁目店」(大田区)、「新宿若松町店」(新宿区)、「南砂二丁目店」(江東区)の3店で無印良品の試験販売を始めた。店内には無印の専用棚を設けて肌着や化粧品、文房具などを陳列。販売期間は3か月を予定している。 「ここまでやりますか」──。店を訪れたローソンの取引先関係者は、そう驚きを隠さない。なぜなら、ローソンが1店舗で取り扱う商品アイテムは約3500点。最大500品目を無印良品に置き換えたからだ。無印の商品が並ぶ陳列スペースは売り場のおよそ
6月中旬の都内で、いつものオシャレな“文科系”ファッションで現れたのは、お笑いコンビのピースの又吉直樹(40才)だ。相方の綾部祐二(42才)が「ニューヨークへ行って、ビッグになる」と渡米してから、2年半以上が経った。コンビの活動は休止中で、作家活動に勤しみながら、1人のコントライブも定期的に続けている。 ところが、最近になって少しずつ発言に変化が表れてきた。18日の文化放送『大竹まこと ゴールデンラジオ!』にゲスト出演すると、「綾部は自分に対して絶対的な自信がある(人)」と紹介して、過去の2人のエピソードなども披露した。このように最近は、テレビなどのメディアに出るたびに、綾部のことを話題にしている。 あるお笑い番組制作会社関係者は「又吉さんは、作家として大成功を収めていて、金銭面では、わざわざ定期ライブをやる必要性はありません。それでも続けているのは、お笑いを愛していることもありますが、や
全米に「Black Lives Matter」(黒人の命は大事)運動が吹き荒れ、トランプ大統領の支持率は36%まで下落した。 追い打ちをかけるように出版されたのが、元側近のボルトン前大統領補佐官による暴露本『それが起きた部屋』だ。内容はトランプ外交の暴露や批判が中心で、日本のメディアも、〈在日米軍経費80億ドル要求〉(読売6月24日朝刊)〈2019年6月にあった米中首脳会談で、トランプ氏が習(近平・国家主席)氏に「大統領選で勝てるように保証して欲しい」と懇願し、中国が大豆と小麦をより多く購入することが、選挙結果にも重要だと強調した、とも明らかにしている〉(朝日同24日朝刊)などと報じた。 その中身もさることながら、興味深いのは日本や諸外国の反応だ。 在日米軍経費80億ドルの要求について、河野太郎・防衛相は「米国から要求があったことはない」と否定。それ以降、日本政府は静観の構えだ。 首脳会談
体験取材を得意とする『女性セブン』の“オバ記者”ことライター・野原広子(63才)が、話題のトピックについて、自由な意見を綴る。今回のテーマは「わが学歴詐称の記」だ。最近は小池百合子東京都知事の「学歴詐称疑惑」が何度も取沙汰された。 * * * ここ1か月でいえば、いちばん人の口にのぼった四字熟語は、間違いなく「学歴詐称」。連日その名を聞かない日はない、あの女性を引き合いに出すつもりはないけれど、実は私、2年間だけ、わけあって学歴を詐称していた過去があるの。それも、言いも言ったり、「早稲田大学卒」。 ありえません。 私の卒業した茨城県の農業高校は、ペンを持つより草刈り鎌を持つ時間の方が長いところ。上京して住み込みの店員になった18才の私にとって「大学生」は、学校や誰彼に関係なく、全員憧れだったもの。 それが、ひょんなことからライターを志し、いくつかのラッキーをつなぎ合わせ、どうにかカッコウが
朝鮮半島に再びきな臭さが漂い始めた。16日、北朝鮮が開城(ケソン)にある南北共同連絡事務所を爆破。発端は韓国の脱北者団体が金正恩・朝鮮労働党委員長を批判するビラを北に散布したことだった。 これに対し、妹の金与正・党第1副部長は韓国政府を激しく非難。「遠からず(南北)連絡事務所が跡形もなく崩れる光景を目にするだろう」と声明を出し、3日後に爆破を実行したのだ。 韓国・漢陽女子大学助教授の平井敏晴氏は「これまでの軍事境界線付近での小競り合いの類とは異質」だと指摘する。 「今回の事件は南北融和政策を進める韓国・文在寅政権との決別宣言であり、大統領選が近づく米国への揺さぶりでもあります。死者は出なかったが、国際社会に大きなインパクトを与えた。いざとなれば“軍事衝突も厭わない”という北の意思が窺えます」 過去にも、北の工作員が韓国に侵入、朴正煕・大統領の暗殺を狙った「青瓦台(大統領府)襲撃未遂事件」(
検察庁法改正問題の渦中、賭け麻雀が発覚して辞職した黒川弘務・元東京高検検事長。表舞台からすっかり姿を消した黒川氏だが、意外な過去が判明した。宗教法人「幸福の科学」の大川隆法総裁と東京大学法学部でクラスメートだったというのだ。 それを明らかにしたのが、大川氏が著した『黒川弘務検事長の本心に迫る』なる書籍だ。発行日は5月19日、ちなみに週刊文春で賭け麻雀疑惑が報じられたのはその2日後だった。 大川氏は「霊言」として、松下幸之助からトランプ大統領、小保方晴子氏、蒼井優、習近平国家主席の娘・習明沢氏まで様々な人物の「守護霊」をたびたび呼び出しているが、今度は黒川氏に白羽の矢が立った。教団の広報局によれば「本書籍は、定年延長問題を巡り各所から批判が起こるなか、黒川氏の本心や人柄、人生観などを明らかにしたものです」とのことだ。 大川氏が呼び出した黒川氏の“守護霊”は、大川氏についてこう語る。 〈語学の
新型コロナウイルス対応では、クルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」など現場の最前線で活動し、感染者を出さずに任務を遂行した自衛隊。大規模災害などのたびに、その活動が称賛されてきた自衛隊だが、今回の危機では将来の幹部自衛官を養成する「防衛大学校」の内部で、“戦線崩壊”ともいえる状況が起きていた──。 2000人が“軟禁状態” 神奈川県横須賀市の三浦半島東南端、高台から東京湾を見下ろす地に、「防衛大学校(以下、防衛大)」はある。 自衛隊の将来の幹部自衛官を養成することを目的に設置された大学校で、4学年で約2000人が敷地内の寮(学生舎)で集団生活を送っている。 「鋭気に満ちた諸官の姿に接し、自衛隊の最高指揮官として、誠に心強く思います」──。 3月22日に行なわれた卒業式で、安倍首相はそう訓辞を述べた。だが、その卒業式から春休みを挟んでわずか1週間後から、防衛大の“異常事態”が始まっていた。
新型コロナに関して安倍晋三首相は計8回、総時間460分、国民に向けて会見を開いたが、振り返れば「虚言」「詭弁」「責任逃れ」ばかり。それを検証する。 事態が緊迫する中、3月28日、3回目の首相会見が行なわれた。東京の累計感染者数は3000人に迫り、小池百合子都知事は「オーバーシュートの危険が高まっている」と夜間・休日の外出自粛要請に踏み切っていた。東京五輪の延期も決まった。 「ひとたび爆発的な感染拡大が発生すると、欧米の例から試算するとわずか2週間で感染者が今の30倍以上に跳ね上がる。そうなれば(中略)我々の戦略が一気に崩れる」 首相は危機感を露わにした。急務なのは経済対策だった。 景気は大きく冷え込み、休業や失業がどんどん増えていた。官邸では自営業者から大企業経営者まで各分野の代表者を呼んで経済への影響に関する集中ヒアリングを終えたばかり。 「昨日まで7回にわたり、現場の声、地域の声を直接
感染すると肺に大きな損傷を与える新型コロナウイルス。しかし、実際には、肺だけでなく、内臓や足の指先、脳内にいたる全身に深刻な損傷を与える。国内で発生した事例はショッキングだ。 「3月に山梨県で新型コロナに感染した20代男性が髄膜炎を発症し、コロナから回復して退院したのちも、この1~2年間の記憶を失った事例がありました。そのケースでは、コロナが脳に達して脳炎を引き起こした可能性が指摘されています。 埼玉県の60代男性も5月に集中治療室から出たのち、目は開いているけれど意識がもうろうとする『せん妄』を発症しました」(全国紙社会部記者) 新型コロナが直接脳に影響を及ぼす可能性は、海外でも指摘されている。 英ケンブリッジ大学で神経科学を研究するエド・ブルモア教授は、英インディペンデント紙(5月26日付)の取材に、新型コロナの患者には精神病の「気分障害」と「認知障害」が多くみられると主張した。 ブル
安倍内閣の支持率が20%台の「危険水域」に急落し、芸能人からも「さよなら安倍総理」の声が挙がった。そこに追い打ちをかけるようなリーク報道が相次いでいる。 2つとも共同通信によるものだが、一つ目の5月25日のものは、〈首相官邸に報告した法務省は、国家公務員法に基づく懲戒が相当と判断していたが、官邸が懲戒にはしないと結論付け、法務省の内規に基づく「訓告」となったことが24日、分かった。複数の法務・検察関係者が共同通信の取材に証言した〉とある。 もう一つは、スピード承認に前のめりになっていた「アビガン」に関するものだ。共同通信は5月20日の配信で〈(アビガンについて)国の承認審査にデータを活用できると期待された臨床研究で、明確な有効性が示されていないことが、分かった。複数の関係者が共同通信に明らかにした〉と報じた。 こうした報道の背後には、これまで安倍官邸の支配下で“忖度”してきた官僚たちが潜ん
体験取材を得意とする“オバ記者”ことライターの野原広子(63才)が、世の中の出来事にゆるくツッコミを入れる。今回のテーマは「政治家たちはマスクに無頓着すぎる」だ。 * * * 名は体を表す、っていうけど、いまや「マスクは人を表す」。新型コロナが広まった3月半ばからマスクに注視し続けてきた私にはそう見えるんだわ。特に使い捨てマスクがドラッグストアから消えた4月初めからはそう。みんな、使い捨てマスクにハンカチでカバーをつけたり手製のマスクをつけたりと工夫しだして、口元に“お人柄”が出てきたのよ。 その中で頭ひとつ抜け出したのは、男性では西村康稔経済再生担当大臣兼新型コロナ対策担当大臣ね。シュッとした顔によく似合う“大臣マスク”を世に認識させた功績は大きいと思うよ。型紙のいらないあのマスクの作り方がYouTubeにはいっぱい上がっている。ってことは、それだけ作り手がいるってことだよね。 議員会館
新型コロナを巡る安倍政権の迷走が国民を失望させている。自民党内の人材不足も明白になり、本来ならばあり得ないはずの“待望論”まで出始めた。この国の政治不信もまた、危機的なレベルに達している。 危機の時ほど、政治家は真価を問われる。新型コロナ対策の「決断と実行」で存在感を高めたのが全国の知事たちだ。 鈴木直道・北海道知事は国に先駆け2月に外出自粛を要請。小池百合子・東京都知事は「ロックダウン」を示唆し政府の尻を叩いて緊急事態宣言を出させ、吉村洋文・大阪府知事は「大阪モデル」で常に政府に先んじる一手を打った。 その中でも「次の総理」への待望論が高まっているのが44歳の吉村氏だ。全国的に感染が拡大したとされる3月の3連休(20~22日)に大阪・兵庫間の移動制限を要請したのを皮切りに、国の新型コロナ特措法を「誰が最終責任者なのかを曖昧にしている責任逃れ法律」と批判。自粛要請に応じないパチンコ店の名前
コロナ問題は世界経済や米大統領選の行く末とも密接にリンクしており、その着地点がどこになるのか予断を許さない。中国の情勢に詳しい拓殖大学海外事情研究所教授の富坂聰氏が指摘する。 * * * アメリカの中国叩きが凄まじい。もちろん5月17日現在で新型コロナウイルスの感染者は約464万人、亡くなった人も31万人を超えるなど被害は甚大だ。世界経済へのダメージも深刻で、各地で失業者があふれている。こうした被害をもたらした感染の根源が武漢市にあるとなれば、中国に対する厳しい目が向けられるのも仕方のないことだろう。 だが、だからといって経済的損失を中国に賠償させようという、いわゆる「中国責任論」が一部で声高に叫ばれるていることには首を傾げざるを得ない。 4月下旬には米中西部ミズーリ州が、中国政府や共産党などを相手に損害賠償を求める訴訟を米国で起こし、そうした流れは英、豪、独、仏、伊、印などに広がっている
先の見えないコロナ感染危機の中、安倍晋三・首相は「長期戦の覚悟を」と国民に自粛を要請し、結束してウイルスとの戦いに勝利しようと呼びかけた。 だが、政権中枢では政治家たちが足を引っ張り合い、すっかり“戦意喪失”したこの総司令官はいつ政権を投げ出してもおかしくない状況にある。 元々5月6日までとされていた緊急事態宣言の延長を31日までと発表した4日の記者会見では「国民の皆様におわび申し上げたい」「責任を痛感」と自らの政治的責任に言及したものの、視線は終始、演壇の左右に置かれたプロンプターに交互に向けられ、そこに映し出された官僚の作文を棒読みするばかりだった。自民党ベテラン議員は緊急事態延長の記者会見について、こういう。 「総理が『責任を痛感』と弱音を吐くのは珍しい。口にした以上、いずれ責任を取るつもりかもしれない。政治的に見ても、安倍政権による憲法改正はコロナで断念せざるをえない。 来年に延期
国家存亡の危機であるほど、政治家は自らを奮いたたせ、危機乗り切りの先頭に立つ。それが世界共通の、責任ある政治家に求められる姿勢だろう。 ところが、あれほど「一強」「独裁」と呼ばれた強気の安倍晋三首相からは、コロナ危機が深まって以来、“オレが国を救ってみせる”という気概が感じられなくなった。 緊急事態宣言の延長を発表した5月4日の記者会見では「国民の皆様におわび申し上げたい」「責任を痛感」と自らの政治的責任に言及したものの、視線は終始、演壇の左右に置かれたプロンプターに交互に向けられ、そこに映し出された官僚の作文を棒読みするばかりだった。そのため、国民の関心が高い給付金の入金時期について「早い人で8日から」と書かれていた原稿を「8月」と読み間違えても気づかない。 その前日、憲法記念日に寄せた首相のビデオメッセージの内容も与党内で話題になった。昨年まで強調していた「2020年を新憲法施行の年に
新型コロナウイルス拡大に伴う10万円の特別定額給付金の対象は、令和2年4月27日、住民基本台帳に記載のある者とされる。簡単にいえば、日本に住民票のある人間すべてで、いまのところ暴力団員にも資格はある。 2018年末の組員総数は約3万500人で、もし全員が申請し給付を受ければ、ざっと30億5000万円が暴力団の“資金源”となる計算だ。ただし、それなりに名の通った組長たちはおそらく申請しない。ヤクザはメンツで生きている。男伊達を標榜している以上、他人に施しはしても、国家の庇護は受けられない。 「単純な話だ。たった10万円をもらって、いざという時だけ国に頼るのかと言われるのはしゃくに障る。こういった話は口コミで伝わる。裏の世界でナメられる」(指定暴力団トップ) 関西の某組織幹部も同様に給付金には否定的である。「そんな金はいらん」とにべもない。 「ただそれは自分の価値観。若い衆に強制はしない。暴排
かつてハンセン病は患者だけでなくその家族も社会から排斥され、差別されていた。治療法と感染症についての知識が広まったこと、差別の歴史を反省する気運が高まり日本政府も過去の施策を謝罪した今では、ハンセン病患者に対して差別と排斥を繰り返すことを許容する人はほとんどいないだろう。だが今、まだよく分からない感染症流行への不安からなのだろうか、新型コロナウイルス感染者に対して、一度は反省したはずの、感染症に対する間違った振る舞いと認識があらわになってきた。得体が知らない新しい感染症が身近にある怖ろしさと元感染者たちの戸惑いについて、ライターの森鷹久氏がレポートする。 * * * 新型コロナウイルスの日本国内の感染者が、ついに1万人を超えた。死者は236人(クルーズ船の乗客含む)にのぼり、未だ収束の目処が全く見えない状況だが、感染者の中には、治療や検査を経て無事に「陰性」となり、日常生活に復帰しようとし
「38℃の熱が3日間続き、喉も腫れ、水どころか唾さえ飲めない状態。でも、保健所に検査をお願いしたら“近くの病院に電話してください”と断られました」(東京都40代男性会社員) 「3日前に食事をした友人が感染したので、不安になって保健所に連絡したら“咳などの症状がないと検査できない”と言われ、あきらめました」(東京都20代女性会社員) いずれも新型コロナウイルスの検査を受けられなかった人たちの悲痛な叫びである。 4月13日には、感染疑いのあるゼネコン社員がなかなか検査を受けられず自宅待機していたところ、容体が急変して死亡。その後、陽性が判明したとのショッキングな事実が公表された。 感染の有無を調べるのは、喉の粘液などを採取してウイルス特有の遺伝子配置を検出する「PCR検査」だ。WHOのテドロス事務局長が「疑わしいケースは検査、検査、検査だ」と強調した通り、世界各国では新型コロナ対策として検査数
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