ブックマーク / kousyou.cc (14)

  • 「なぜ政府は動けないのか: アメリカの失敗と次世代型政府の構想」ドナルド・ケトル 著 | Kousyoublog

    米国の行政機構が機能不全に陥っているのはなぜか。著者の母ミルドレッドが亡くなるまでの終末期に活用し十分すぎるほど機能した福祉制度と2006年に米国を襲い甚大な被害を出したハリケーン・カトリーナの対応という一見かけ離れたふたつの事例をとっかかりにして、その両者に共通する行政機構のミスマッチ、すなわち『直面している重要な課題が、多くの場合、これまでその対応のためにつくりだしてきた制度に合っていない』(P26)という現状について、鋭く分析、その処方箋を提示する一冊。著者ドナルド・ケトルは米国の公共政策論・行政学の第一人者。 なぜ政府は動けないのか: アメリカの失敗と次世代型政府の構想 posted with amazlet at 15.01.11 ドナルド・ケトル 勁草書房 売り上げランキング: 748,452 Amazon.co.jpで詳細を見る ミルドレッドのケースとハリケーン・カトリーナの

    「なぜ政府は動けないのか: アメリカの失敗と次世代型政府の構想」ドナルド・ケトル 著 | Kousyoublog
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    jpon7 2015/01/13
  • 賢者は歴史に学ぼうとして偏った歴史の類推に執着する | Kousyoublog

    米国の歴史学者アーネスト・メイ(1928-2009)は、1973年の著書「LESSONS OF THE PAST : The Use and Misuse of History in American Foreign Policy(「歴史の教訓 アメリカ外交はどう作られたか」(中央公論社1977年刊、2004年岩波現代文庫より再刊))」で、アメリカの外交において、政策決定者たちはその決断の際に過去の歴史から類推して参考にし、多くの場合その類推は誤用であったということを解き明かしている。それは以下の二つの特徴として現れるという。 1) 外交政策の形成者は、歴史が教えたり予告したりしていると自ら信じているものの影響をよく受ける。(序文iiiより) 2) 政策形成者は、歴史の中に類推を求める時、自らがまず思いついたことに囚われてしまいがちである。彼らは、歴史の類推例を広範囲にわたって探し出そう

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    jpon7 2015/01/07
  • 2014年面白かった本15冊まとめ | Kousyoublog

    2014年は64書評を書きました。その中から特に面白かったを一般書籍10冊、小説5冊びました。小説は古典SFが中心です。以前書いた紹介記事へのリンクを貼っていますのでそれぞれのの詳細はリンク先記事を参照ください。 2014年に読んだは全体としては書評に書いた数の三倍程度、150~200冊ぐらいで、その中から書評として書けるを選んで書いたという感じですね。基的に、を読むときはを塊として読む傾向が強くて、特定の興味があるテーマに関連するの中から入り口になるを選んで、そのの参考文献一覧だったり、同一ジャンルだったりを確認して相互に関連が深そうなを同時進行で読んでいくようにしています。あるを読むために他のを読むことで、そのについて書ける段階まで知識を収集してから書くという感じなので、一冊のについて書くために4~5冊読み、読んでいるうちにより良いに出会って最初とは

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    jpon7 2014/12/28
  • トマ・ピケティ「21世紀の資本論についての新たな考察」スピーチ動画 | Kousyoublog

    フランスの経済学者トマ・ピケティによる、世界的に話題となった著書「21世紀の資論”仏: Le Capital au XXIe siecle 、英: Capital in the Twenty-First Century”」(「21世紀の資」としてみすず書房より刊行予定)について語ったTEDスピーチ動画。その趣旨をギュッと濃縮しているのだろう、わずか十六分ほどのスピーチ(と質疑応答で二十分程度)ながらその内容は非常に濃く、凄い勢いで語られている。みすず書房の同書ページに貼られているスピーチ動画の日語字幕付き版ですね。 トマ・ピケティ: 21世紀の資論についての新たな考察 日語訳は12月9日発売予定 21世紀の資 posted with amazlet at 14.11.18 トマ・ピケティ みすず書房 売り上げランキング: 270 Amazon.co.jpで詳細を見る クレバー

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    jpon7 2014/11/19
  • 十八世紀プロイセンの特徴 | Kousyoublog

    セバスチァン・ハフナー著「プロイセンの歴史 伝説からの解放」では十八世紀のプロイセンの特徴について、「シュレジエンのドイツ学者でありスラヴ学者であるアルノ・ロボスの著作『ドイツ人とスラヴ人』(一九七四年)」(P64:同書は未邦訳)から引用して、『これ以上的確に要約することはできない』(P65)と評している。 プロイセンは当時、規律、服従、軍事教練、非の打ちどころなき官僚制、忠実な貴族階級、厳格で啓蒙的で人道的な司法、差別無き理性、完璧な行政機構、禁欲を奨励し、カルヴァン派とプロテスタント派の刻印を刻んだピューリタニズム、さらにコスモポリタン的で宗派に拘泥しない自由思想的傾向において、きわだった国家であった。それぞれまったく異なる四人の君主によって作られた多様な理念の一大集合体が、王冠と領土という観念のもとに一体となって出現した。プロイセンの特徴は、民族によって結ばれた国々とは対照的に、自ら

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    jpon7 2014/06/09
  • 国連が警告した「たばこより大きな脅威」はジャンクフードではなくUnhealthy diets | Kousyoublog

    「たばこより大きな脅威」 ジャンクフードに国連が警告 – 47NEWS(よんななニュース) 【ジュネーブ共同】国連のデシューター特別報告者(料問題担当)は20日までに、高カロリーで栄養バランスが悪いジャンクフードなど不健康な品について「地球規模で、たばこより大きな健康上の脅威となっている」と警告、課税などの規制を急ぐよう各国に促した。 新興国や発展途上国の経済発展に伴い、肥満が世界的に深刻な問題となっていることを受けた発言。 デシューター氏は19日、ジュネーブでの会合で「世界はたばこの規制で団結したように、適切な事に向けた大胆な枠組み条約に合意する必要がある」と提言した。 元のオリヴィエ・デシューター氏のレポートのタイトルは”Unhealthy diets greater threat to health than tobacco「不健康なダイエット生活)はタバコより大きな脅威

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    jpon7 2014/06/09
  • 日本人キリシタン「イエズス会で働いているんだが俺はもう限界かもしれない」 | Kousyoublog

    戦国時代の日でイエズス会が財政難に直面していたことは、前回の記事『「イエズス会の世界戦略」高橋 裕史 著』で書いた通りだが、同じく「イエズス会の世界戦略 (講談社選書メチエ)」より、そのような財政難と日人に対する偏見によって、徐々に日人聖職者の登用を制限するようになっていたというプロセスが非常に興味深かったので簡単に紹介しておきたい。 当時のイエズス会では、同宿と呼ばれる将来のイルマン(助修士:司祭の助手)候補として神学校(セミナリオ)や教会(カーサ)で勉強しながら共同生活を送り、教会の様々な雑務を担当する日人たちが多数いた。しかし、宣教師たちから同宿に対する視線は徐々に低い評価となっていき、日人聖職者の養成を否定するようになったという。当時の日イエズス会のトップ、ヴァリニャーノは以下のように書いている。 『第一の理由。一般に同宿たちDoujuqusは霊性も神の招命も持ち合わせ

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    jpon7 2014/06/09
  • 明治政府のフーコー的臣民観 | Kousyoublog

    ちょっと引用中心のメモ。 『明治の指導者たちは、人々を単なる支配の対象(object)ではなく、知識をもった自己規律的・自律的な主体(subject)として、つまり、フーコーのいう二重の意味での主体――「支配と依存」に服従させられた臣民(subject)であると同時に、「良識と自意識」によって自身のアイデンティティをもった存在としての主体(subject)――へとつくりかえてゆこうとしていたといえるのである。 この支配に関する新しい考え方こそが、高度に規律化された国民共同体と、統合的・全体包括的な国民文化へと一般民衆をとりこんでゆくことをねらった様々な政策を生み出したのであった。国家当局者の手によって正しい信仰のありかたが教示されるいっぽうで、地方の神社を破壊・統制したり、シャーマンや祈祷師やいわゆる淫祠などを迷信のたぐいとして規制し、民族宗教を攻撃するといった、啓蒙という名の一種の文化

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    jpon7 2014/06/09
  • 「記憶をコントロールする――分子脳科学の挑戦」井ノ口 馨 著 | Kousyoublog

    記憶のメカニズムについて簡潔にまとまった脳科学者による入門。超わかりやすく手堅い内容で120ページほどの分量と読みやすい、おすすめの一冊です。 記憶をコントロールする――分子脳科学の挑戦 (岩波科学ライブラリー) posted with amazlet at 14.04.17 井ノ口 馨 岩波書店 売り上げランキング: 46,030 Amazon.co.jpで詳細を見る タイトルの「記憶のコントロール」からもしかするとライフハック的な「記憶をコントロールする〇個の方法」みたいな何かを期待するかもしれないけれど、マウスに音を聞かせると同時に電気ショックを与えたら恐怖の記憶を覚えている、とか、側頭葉に電流を流したら被験者の記憶がよみがえったとかそういう脳科学の研究上、記憶のコントロールが可能となってきた事例のこと。 書で紹介されているカリフォルニア大学サンディエゴ校ラリー・スクワイア教授の

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    jpon7 2014/04/18
  • メドベージェフ「テレビなんて誰が観るんです?」プーチン「・・・・・・」 | Kousyoublog

    2008年4月、コンドリーザ・ライス米国務長官(当時)がロシアのソチを訪れた際のエピソード。 ライス国務長官がロシアの若手企業家たちとの会合で、ロシアの主要テレビ局は実質国有化(チャンネル1(国営)、NTV(半国営企業「ガスプロム」のグループ子会社)、ロシア1(国営企業「全ロシア国営テレビ・ラジオ放送会社」運営))され、政権の影響下にあるという点でソ連時代と変わらないことについて意見をもとめ、参加者の一人が肯定しつつこう語った。 『この国のニュースはこんな感じです。まず最初に、かの偉大な人物(プーチン)の動向が伝えられます。第二に、農業生産が好調だという話が来ます。第三に、今日もアメリカが無辜の民を殺したというニュースがあり、最後に、かの偉大な人物の後継者に選ばれた人物の動向が伝えられます。』(ライス著「ライス回顧録」P613) そのあと、ライスはドミトリー・メドベージェフ露大統領(当時)

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    jpon7 2014/04/06
  • PC遠隔操作事件・片山祐輔被告の保釈について | Kousyoublog

    パソコン遠隔操作事件 元社員保釈 NHKニュース 「自由というのは眩しいものだな」PC遠隔操作事件・片山祐輔被告が保釈会見 | ニコニコニュース この事件については、以前も何度か紹介した十八世紀イタリアの法学者チェーザレ・ベッカリーアが当時の欧州司法制度を批判して書いた「犯罪と刑罰」(1764年)の以下の部分を引用するだけで足りると思っている。 『拘禁は、訴追をうけたある市民が有罪かどうかの判決を受けるまでの間、その身柄を確保しておくための手段にすぎないのであって、ほんらい、なさけない、ざんこくな手法なのだから、その期間はできるだけ短く、またできるだけそのきびしさを緩和してやるようにつとめなければならない。逮捕された市民は、審理の手続きに必要な期間以上留置されるべきではない。また先に逮捕された者から裁判に廻すべきだ。 拘禁中の被告人の身柄の拘束は、彼が逃亡し、証拠を隠滅することをさまた

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    jpon7 2014/03/06
  • 1920-30年代日本の失業問題と失業対策を断固拒否した財界人の意見まとめ | Kousyoublog

    公開日: 2013/08/16 : 最終更新日:2014/02/13 カテゴリー:歴史・宗教 タグ:世界恐慌, 労働, 吉川弘文館, 大正, 日史, 昭和, 第一次世界大戦, 経済, 近代, 関東大震災 最近読んだ加瀬和俊著「失業と救済の近代史」で、1920~30年代に社会問題化した失業問題についての当時の財界を代表する人々の発言がとても興味深かった。まずは背景として1900年~1930年ごろの日経済情勢概観を簡単に。(参考書籍は記事下の加瀬、浜野、伊藤、松元著)政府財政は発足時から慢性的な財政赤字を抱えており、1895年の日清戦争の賠償金で一息ついたものの、1899年の恐慌、1900年の金融危機、日露戦争の戦費負担、輸入超過による正貨流出問題、地方振興・インフラ整備のための財政支出の拡大など構造的問題をいくつも抱えており、文字通り財政危機にあった。と、ここで山積する諸問題に一つ一つ

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    jpon7 2014/02/24
  • 「世代」の概念はいつ作られたのか? | Kousyoublog

    ジャック・ル・ゴフ「中世とは何か」に「世代」という観念が1968年のパリ五月革命に意味を持たせるために革命に関った人々によって作られたという記述があったので、一応参考として引用しておく。 一応の文脈として、古代・中世・近代など歴史上の時代区分が現在に近くなればなるほど短く・細かくなるという指摘に対してル・ゴフは逆説的だといい、「世代」という概念についてこう言っている。ちなみに、ジャック・ル・ゴフ(1924~)はフランス・アナール学派のリーダーで西洋中世史の権威中の権威のような人。 『今は「世代」という疑わしい概念が好まれる傾向にありますね。戦争世代――と言えば暗黙のうちに第二次世界大戦です――、「ベビーブーム世代」、一九六八年世代……。世代はだいたい二十年から二十五年の幅の時代を表しています。こうしていわゆる「加速する歴史」に対応しているというわけです。 一見するとこの手段にはメリットが

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    jpon7 2014/02/22
  • 石原慎太郎「下品だからこそ大衆の支持を強く集めるのだ」 | Kousyoublog

    最近BSで偶然見た、おそらく地上波の再放送番組であろう故美空ひばりの特番に都知事時代の石原慎太郎が出ていて、美空ひばりと田中角栄を自身が生涯で出会った最高の人物の二人として称賛しつつ、うろ覚えだが「二人とも御世辞にも上品とはいえない。言い方は悪いが下品だ。でも、だからこそ大衆の支持を強く集めるんですよ」とかなんとか概ねそういった趣旨のことをにやりと笑いながら語っていて、妙に心に残った。(家族が見ていたものを偶然見ただけなので番組名や元番組の放送時期など不明、発言内容も不正確です。) 一つには、どうにもその論評が、自身も含んでいることを言外に表そうとしている、というか二人の論評に見せかけて石原慎太郎自身の自己顕示的な側面の方が強いと感じた――自身をその二人と並ばせようとする自己顕示欲と同時に、ある種のエクスキューズのようでもあった――からであり、もう一つには、政治家石原慎太郎の、賛否両論を巻

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    jpon7 2014/02/11
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