日本政府は国連安全保障理事会による北朝鮮非難決議に続き、安倍晋三官房長官を中心にブッシュ政権から提供を受けて制裁対象リストを調べ、金融制裁に踏み切る検討を進めているが、日米が突出して制裁を強化していったい何を達成しようとするのか、見えてこない。 まず、北朝鮮とはどんな性格の国家だろうか。その理解なくして戦略なぞ立てようがない。脱北した元北朝鮮の金正日側近などの証言や韓国の専門家の見解を総合すると、以下のようになる。 中央政府・軍・党が経済の三本柱 北朝鮮とは近代世界史でも類をみない「首領国家」である。時折、ニュースで引用される北朝鮮国営テレビをみればよい。聞き慣れると滑稽とも感じなくなったが、北のアナウンサーは「首領様」と連呼して金正日の「偉業」を讃える。朝鮮労働党総書記・国防委員長である首領金正日と特権階層が父親の金日成の敷いた路線を継承、強化し、軍需と民生の経済を私物化して銀行・