爆発音のあった現場付近を捜索する警視庁の捜査員ら=9月18日午前6時半、東京都千代田区(鈴木健児撮影) 皇居に向けて「消火器爆弾」を発射した元陸上自衛官の男は計600キロにも及ぶ爆発物を製造していた…。「インターネットを通じて作り方を覚え、材料も仕入れていた」。“爆弾男”の関係先からは、爆発物の開発過程を詳細に記録したビデオも押収された。映像からは、だれに知られることもなく、これほど大量の爆発物を製造していた男の危険な姿が浮かび上がっている。 (加藤達也、宝田将志) 天皇陛下が利用される研究所も“射程内” 「ドーン、ドーン」 9月18日午前2時40分。 東京都千代田区隼町付近を巡回中だった警視庁麹町署の警察官が妙な爆発音を耳にした。三宅坂交差点に駆けつけると、お堀を挟んで皇居を臨む歩道上にトラックが乗り上げていた。周囲には火薬のにおいが漂う。トラックのすぐ横に立つ1人の男。逃げる素振りはな